アスベストは鉱物繊維の一つで、石綿とも呼ばれています。クリソタイルやアモサイト、クロシドライトなどの天然鉱物を組み合わせて作られています。
アスベストは耐久性や断熱性、耐摩耗性に優れており、軽くて丈夫という特徴から、古くは屋根材や外壁材、断熱材などに幅広く使われていました。しかし、人体に及ぼす有害性が問題となり、2006年に改正労働安全衛生法が施行されたことで、以降は使用が実質禁止となっています。アスベストは空間中に飛散しやすく、吸入すると中皮腫や肺がんを引き起こすと考えられています。
解体工事においては、アスベストが飛散しないよう、安全策を講じたうえで作業を行います。危険レベルによって取られる安全策は異なりますが、防じんマスク・防護服を着用し、水・薬剤によって湿潤化し、除去作業に取り掛かるのが一般的です。
なお、アスベストは除去に手間と時間がかかるうえ、処分にも細心の注意を要します。このため、一般的な解体工事と比べて費用が高くなる傾向があります。