建築物の躯体に鉄骨や鋼材を用いる構造を「鉄骨造(S造)」と呼びます。鉄骨造(S造)は耐久性や耐火性能が高いほか、設計自由度の高さが強みとなっています。
鉄骨造(S造)は鉄筋や鋼材の厚さにより重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類に分けられます。主に一般的な住宅では軽量鉄骨造、マンションや大型ビルなどは重量鉄骨造が採用されています。
このほか、鉄骨造(S造)は構造の種類に応じてラーメン構造・ブレース構造・トラス構造の3つに分類されています。3つのうちブレース構造はシンプルな鉄骨造(S造)で、木造と同じく柱や梁、筋違が使用されます。一方のラーメン構造は柱と梁部分を鋼材でつなげたもので、筋違いが不要という特徴を持ちます。そしてトラス構造は小型の三角形の部材をいくつも組み合わせ躯体を形成しているのが特徴です。
鉄骨造(S造)の建築物は強度や耐久性の高さから解体時の騒音・振動が発生しやすくなっています。そのため、近隣に迷惑がかからないように事前の挨拶回りや配慮が求められます。 内装を撤去した後の建物自体はほぼ鉄のみとなりますが、廃棄物にリサイクル可能なスクラップが多く含まれるため、解体費用が抑えられる傾向にあります。