経年劣化や老朽化が進んだ建物は地震などで倒壊する可能性が高く、解体工事を検討する必要があります。
しかし解体工事では、後から見積もりになかった追加費用を請求されてしまうなどのトラブルやが後を絶ちません。
そこで本記事では、解体費用の失敗事例と成功に導くためのチェックポイントを紹介します。
目次
解体費用が高額になってしまう理由はいくつかのあります。それぞれ失敗の理由を把握して、自分が何に気をつけるべきなのか知るところから始めていきましょう。
一軒家の解体費用相場については、以下の記事を参考にしてください。
1つの業者だけの見積もりで工事を行った末、思わぬ高額請求をされたという事例が報告されています。
見積もりをお願いした業者に断りづらかったり、忙しくて他の業者は考えていなかったりと、複数の業者を比較検討しなかった場合に失敗することが多いようです。
断りにくい・忙しかったといって、安易に工事を依頼してしまうのは禁物。
1社の見積もりだけでは、その業者が高いか安いかはわかりません。相場だと思って依頼したけど、あとから高額だったと気付くケースも多いようです。
解体工事を依頼する場合は、必ず相見積りをとるようにしましょう。
見積もりに納得して依頼したのに、終わってみたら見積りの倍の費用がかかってしまったというような事例もみられます。
予定になかった工事が追加されたり、目に見えていなかった地中埋設物が見つかったりと、予期せぬ事態は起こってしまうのです。
優良な業者であれば、追加工事の際にはきちんと見積もりを出してあらかじめ内訳など教えてくれます。その際の説明はしっかりと聞きましょう。
しっかり把握せず流されるまま追加を受け入れてしまうと、かかった費用に驚いてしまう可能性もあります。
できれば追加工事が起きそうな箇所をあらかじめ把握して、その工事費用の相場まで知っておくと安心です。
追加工事に関しては避けられない場合もあるので、解体工事に失敗してしまったと感じないためにも、心の準備が大切です。
追加工事が必要となった場合に、なんの説明もなしに勝手に進められてしまう事例も少なからず存在します。
通常は事前に相談があるものですが、工事を始めてから事後承諾を求めてくる業者もあります。
また悪徳業者ともなると、自分たちで埋めたにもかかわらず、地中埋設物があたかも見つかったかのように装い、追加費用を請求してくるところも実在するようです。
このような事態を避けるためには、解体業者が優良業者であるかを見極める必要があります。特に、見積もりが他と比べて安すぎる場合は要注意です。
知人の紹介で解体工事を頼み、金額が高いと思っても言いづらく、交渉ができなかったという人もいます。
また、知人の紹介だったので契約書を交わさず、あとから大きなトラブルに遭ってしまったというケースもあります。
いくら紹介であっても、見積りの確認や相談、契約をきちんと書面で交わすなど基本的なことを省いてはいけません。
トラブルに遭ってしまうと、紹介してくれた知人にも迷惑をかけることになりますし、場合によっては紹介してくれた知人との関係が悪くなってしまう可能性もあります。
金額に不安や不満があるときはしっかり交渉し、自分が納得して解体工事に臨むようにしましょう。
最近では減りましたが、費用の詳しい内訳を表記しない「一式見積もり」を提示する業者もいます。
詳しい内訳を知らないと、何にいくらかかっているのかは把握できません。そのため、相場より高いのかどうかの判断も難しく、結果損をしてしまったというケースもあるのです。
建物の解体には安くない金額を支払うことになるため、内訳がしっかり記載されている見積りを確認しましょう。
わからないところがあれば業者に聞いて、疑問を解決する必要があります。そのためにも、解体費用の内訳についての予備知識を持っておくと良いでしょう。
工務店やハウスメーカー経由で解体工事を依頼すると、思っていたよりも解体費用が高額になる傾向があります。
その理由は、中間マージンが発生するためです。
ハウスメーカーが解体業者を紹介する形になり、紹介の手数料として中間マージンを取られるのです。
工務店やハウスメーカーに依頼すると自分で解体業者を探す手間は省けますが、その分余計な費用を支払うことになります。
中間マージンは相場で工事費の10%~30%ほど。例えば解体に200万円かかったとすると、20万円~60万円の手数料が取られます。
手間が省けていいと考えるか、高いと感じるかは人それぞれですが、高額になってしまって失敗したと感じる人は多いようです。
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ここからは思わぬ費用がかかってしまい、解体工事を失敗してしまったという事態を避けるためにはどうしたらいいのかを紹介します。
大きなトラブルになるのを回避するためにも、以下のチェックポイントを意識して解体工事を考えてください。
解体工事では、相見積もりを取りましょう。
複数の見積もり書を比較検討することで、高いかどうかの判断や、なぜその金額なのか、内訳として何が高く何が安くなっているのかをしっかり確認します。
少しでも疑問があれば、施工業者に確認をとりましょう。そうすることで、業者の対応の仕方を知ることもできます。
また、比べることで値引き交渉もしやすくなります。
見積もりは、内訳がきちんと記載されているものを用意してもらうようにしてください。
見積もり書の内訳の内容までしっかりと把握し、相場と比べて適切な金額かどうかを項目ごとに見ていきます。
他と比べて高い場合はもちろんのこと、極端に安い場合も、どうしてその金額なのか確認をとるようにしましょう。
また、そもそも内訳の内容に不備がないかもきちんと確認してください。
見積もり書の内訳は「解体工事費用・付帯工事費用・産業廃棄物費用・諸経費・整地費用」と大きく5つに分けられていて、さらにそこから細かい項目が記載されます。
ありがちなのは、産業廃棄物費用の記載がないのに格安の解体工事費をうたっている場合で、結局あとから別に高額な費用を請求されてしまうパターンです。
記載されるべき内訳がないような業者には注意してください。
見積りの内訳を確認することと少し重複しますが、追加費用に関して記載があるかどうかもチェックポイントの1つです。
基本的には事前説明があるのが当然ですが、勝手に工事を始めてから事後承諾で請求してくる業者もあると認識してください。
書面の記載も、例えば「アスベストが見つかった際、○○㎡につき○○円の追加費用がかかります」など詳しく記載があれば良いですが、詳しく書かれていない場合もあります。
その際は詳しく書面に残してもらうか、そもそもその業者には依頼を控えたほうが無難です。
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見積もり書の内訳には、産業廃棄物費用はいらなくなった家具などの不用品の処分費用も含まれます。
これらの費用はトラック1台分でいくらと決まっていることが多いので、不用品の総量が多いほど高額になります。
そのため、自分で処分できるものは自分で処分したほうが解体費用削減につながります。
売れるものは売り、自治体に引き取ってもらうこともできるので、すべてを解体業者にお願いする前に確認をしてみましょう。
不用品の処分方法については、以下の記事を参考にしてください。
解体工事を依頼した業者が直接施工しているかどうか確認しましょう。
例えば依頼した業者の事務所などが解体現場から遠方にある場合は、現場の近くの下請け業者に工事を丸投げしてしまう場合があります。
そうすると中間マージンが発生し、費用が高額になるのです。
さらに元請け業者に伝えたことが施工業者に伝わらなかったり、情報伝達が遅れたりすると工事の遅延につながる可能性もあります。
後々のトラブルを回避するためにも、依頼した業者が直接施工するのかどうかの確認が必要です。
実はあまり知られていないことですが、依頼した施工業者が解体のための重機を保有しているかどうかでも費用に違いが出てきます。
重機を保有していない業者はリース費用が上乗せされるので、その分保有している業者より高額になる可能性があります。
重機の保有もチェックしてみましょう。
直接費用に関係はありませんが、信頼のおける業者かどうかはとても重要です。
きちんとした解体業者であれば費用の面でも信頼がおけるので、業者選びは最も重要であると言っても過言ではありません。
ではどんな解体業者であれば信頼できるのか、その目安を紹介します。
解体工事をするには、許可や登録が必要です。建築業許可証または解体工事業登録の確認ができる業者を選ぶようにしてください。
許可や登録の提示をしてもらうか、都道府県に問い合わせると許可や登録がある業者か調べることができます。
解体工事で出た廃材の処分先を教えてくれるかも確認しましょう。
廃材を不法投棄したり、地中に埋めたりする悪徳業者も存在します。
特に不法投棄された場合、元々は建物の持ち主なので特定されやすくなり、違法行為をしたとみなされる可能性があります。
このような事態を防ぐため、マニフェスト制度(環境省:産業廃棄物のマニフェスト制度の概要)というものがあります。
マニフェストとは、廃材がきちんと処分されたか、最終的に処理されるまでの過程を記録する管理表のことを指します。
このマニフェストのコピーを渡さない、そもそも存在を知らないような業者は不法投棄等をする可能性があるため、工事を依頼するのは控えましょう。
詳しく説明してくれる、質問に対して真摯に答えてくれるような業者は信頼ができますよね。
解体業者の関係者でもないと、解体工事は人生のうちにそう何度も経験するものではありません。
知らないからといってそこにつけ込む悪徳業者もいますので、相談や報告、連絡をきちんとしてくれる業者を選びましょう。
工事が終わったあとに瑕疵(欠陥)が見つかった場合のアフターフォローがきちんとされるかも、チェックポイントの1つです。
あらかじめそのような場合に業者がどう対応してくれるかは確認しておきましょう。業者側に責任がある場合でも、追加で費用を支払わないと工事をしてもらえない可能性があります。
優良解体業者の選び方については、以下の記事を参考にしてください。
解体工事での失敗を防ぐためには、優良業者をしっかり選ぶのはもちろんのこと、見積もりを複数比べる必要があります。
また、解体工事するための許可や登録をしているかの提示や、アフターフォローまできちんと対応してくれる業者を選べば、後々のトラブルを避けることにもつながります。
廃棄物を処分するためのマニフェストのコピーがもらえるかどうかも、重要ポイントです。各ポイントをしっかりおさえ、不安のない解体工事依頼をしましょう。
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