【プロが解説】駐車場解体の費用相場と解体工事の流れ

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解体を検討している建物の種類はなんでしょうか?
駐車場解体の費用相場と解体工事の流れ

家屋の解体工事は一般の方でも何となくイメージできると思いますが、駐車場の解体工事となるとイメージできる方が少ないのではないでしょうか。

駐車場にはアスファルトやコンクリートで舗装されただけの平面駐車場から機械式駐車場、自走式の立体駐車場、カーポート等多種多様な種類があり、解体費用もそれぞれ異なります。

そこで本記事では、駐車場の解体費用の相場や工事の流れ、必要な申請や届出などについて紹介します。

駐車場解体工事の費用相場

駐車場解体工事の費用相場

近年では高齢であることを理由に車を手放す方や、公共交通機関の充実にともないマイカーを所有する必要性がなくなった人が増えて、都市部を中心に「車離れ」が進んでいます。

そのため、使わなくなった駐車場の解体が増えています。

駐車場解体の費用は駐車場の規模(面積、駐車台数等)や駐車場の形態、構造などによって大きく異なりますが、一般的に土地面積や坪あたりの金額で算出されます。

そのため、数台分の小規模な駐車場と比較的規模の大きな駐車場の金額とでは、解体費用は大きく異なります。

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平面駐車場の解体費用相場

平面駐車場はアスファルトやコンクリートで床面が舗装されているのが一般的ですが、中には砂利敷きの駐車場もあります。

これらの駐車場の解体工事は最もシンプルで、工事内容は主にアスファルトやコンクリート、砂利の撤去及び整地作業のみとなります。

アスファルトの解体・撤去費は一般的に㎡単価で表されることが多く、約3,000~5,000円/㎡が費用相場となります。

例えば車1台分(2.6m×5m程度・約13㎡)の撤去費用は約39,000~65,000円、車2台分(約26㎡)では約78,000~130,000円になります。

また、通路部分も舗装されている場合にはその面積分の撤去費用が加算されます。

一方、床面がコンクリートの場合の撤去費用は、コンクリートの厚みや鉄筋の有無、解体方法(重機使用の有無)、解体する面積などによって大きく異なります。

コンクリートの厚さが10cm以上でひび割れ防止のための鉄筋またはワイヤーメッシュ(溶接金網)が入っている場合は、1㎡あたり10,000円以上かかったというケースもあります。

このような場合は、最低でも5,000円/㎡程度はかかると考えておくと良いでしょう。

また、砂利を撤去する場合の費用は車1台分ほどのスペースで約30,000~50,000円ほどを見込んでおくと良いでしょう。

平面駐車場の解体費用をシミュレーションする

立体駐車場の解体費用相場

立体駐車場とは、建築物や機械装置によって駐車場を多層化または立体化した駐車場のことをいいます。

駐車スペースのある目的階までスロープなどを利用して自分で車を運転して上がる自走式駐車場と、駐車装置を操作して車を出し入れする機械式駐車場が代表的です。

戸建住宅の駐車場としてよく使用されているのは鉄骨造の2段式駐車場ですが、老朽化が進むと部品交換が必要になったり落下事故の危険もあるため、解体・撤去されるケースが増えています。

2段式駐車場の解体・撤去費用は60~100万円程度が相場と言われていますが、解体業者によって費用のバラツキが大きいようです。

立体駐車場の解体費用のシミュ―レーションをする

車庫・カーポートの解体費用相場

車庫やカーポートの解体・撤去費用は構造により異なりますが、一般的に坪単価で算出されます。

木造の車庫を解体する場合の費用相場は約15,000~20,000円/坪、鉄骨造車庫の場合は約20,000円~30,000円/坪といわれています。

カーポートの解体・撤去費用は面積によって異なり、車1台分のカーポートで約20,000~30,000円、2台分の場合には約30,000~50,000円になります。

この他に廃棄処分費用として約20,000~30,000円が必要になり、さらに土間コンクリートの補修や撤去が必要な場合には別途費用がかかります。

駐車場の解体工事の流れ

駐車場の解体工事の流れ

駐車場の解体工事の流れは駐車場の規模や構造などにより多少の違いがありますが、大まかな流れは以下の通りです。

1:近隣挨拶

解体工事中には振動・騒音・粉じんの発生、工事車両の路上駐車などで近隣住民迷惑がかかることが予想されるため、工事着工前に挨拶をしておく必要があります。

2:引込配管、配線の撤去

駐車場の規模や構造によっては、事前に電気・水道などの撤去が必要な場合があります。

3:足場、養生シートの設置

車庫、立体駐車場等の解体工事の場合には必要に応じて建物周囲に足場を設置して解体する建物を養生シートで覆い、近隣へのほこりや粉じんの飛散防止対策を講じます。

4:駐車場の解体作業

駐車場本体の解体作業を行います。

5:廃材の分別、収集、搬出

廃材を木材、鉄、コンクリートガラ、プラスチックなどに分別して搬出します。

6:整地、地中の確認

解体工事終了後には廃材が地中に残っていないことを確認後、整地を行って工事完了です。

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駐車場解体にともなう申請や届出

駐車場解体にともなう申請や届出

駐車場解体にともない、解体する車庫の規模や構造によっては工事着手の7日前までに各都道府県知事への建設リサイクル法の届出が必要です。(環境省:建設リサイクル法の概要

建設リサイクル法の対象となる工事として、コンクリートや木材、アスファルトなどが使われていて、床面積の合計が80㎡以上の建築物の解体工事などが挙げられます。

これらの建築物の解体工事では、工事現場での分別解体とリサイクル(再資源化)が義務付けられているとともに、届出は工事発注者の義務になっています。

また、工事車両を敷地の前面道路に駐車させて廃材の搬出作業を行う場合には工事を行う1週間前までに、その地域を所轄する警察署に道路使用許可申請をしておく必要があります。

これを怠った場合には、罰則規定があるので注意が必要です。

建設リサイクル法の届出の流れ、手順については、以下の記事を参考にしてください。

駐車場解体後の土地活用

駐車場解体後の土地活用

駐車場と同時に家屋も解体して土地全体を更地にしてしまった場合には、そのまま放置してしまうと固定資産税を払い続けることになります。

そこで新たにコインパーキングや月極駐車場にする方法や、その土地に「定期借地権」を設定して他人に貸す方法、トランクルームやコインランドリーを経営する方法などがあります。

しかし将来的にも自ら使用する予定がない土地であれば、思い切って売却してしまった方が良いケースもあるでしょう。

解体工事後の空き地の雑草対策については、以下の記事を参考にしてください。

土地の売却

更地になった土地をそのまま放置し続けると、ただ固定資産税を払い続けるだけになるばかりでなく、雑草の発生や敷地内にゴミが不法投棄されてしまったりすることもあります。

そんな時には不動産会社に土地の査定を依頼してみることをおすすめします。

簡易査定であれば依頼してから1~3日ほどで不動産会社から査定価格が提示されます。

価格の妥当性が高いと思われ、かつ査定価格が納得のいくものであれば、次に2~3社の不動産会社に依頼して実際の土地を現地で調査してもらう「訪問査定」を依頼します。

各社の査定価格が提示されたら、その中から選定した不動産会社と媒介契約を結ぶというのが土地を売却するための流れです。

なおその際の媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約があり、その種類によって異なるルールがあるので注意が必要です。

媒介契約が済んだら不動産会社と相談の上物件の売り出し価格を決めて、売却活動を開始するというのが土地売却までの流れです。

売却せず土地活用を検討する場合

土地を売却しないで有効活用を検討する場合には、その地域の特性を十分に把握した上で活用方法を決定することが極めて重要です。

他で成功しているのと同じ計画を立てたとしても、地域によって効果が全く異なってしまうので注意が必要です。

地域の人口が減少傾向にあるのにアパートやコインランドリーを建てた、周囲に空き地がたくさんあるのに駐車場経営をはじめたなどという失敗事例をたくさん耳にします。

土地活用というとアパート経営などの大きな初期投資が必要なイメージがありますが、比較的初期投資額が小さく、低リスクではじめられるものもあります。

自分の考えだけで決めるのではなく、不動産のプロの意見を聞くことからはじめてみましょう。

まとめ

ひと口に駐車場解体の費用相場といっても、駐車場の規模や形態、構造によってさまざまです。

平面駐車場のアスファルトの解体・撤去を行う際には、産廃処分費用がかかるケースがあります。

駐車場を家屋と同時に解体して更地にする場合には、そのまま放置しておくだけでも固定資産税の負担を免れないので、解体後の土地活用についても考えておく必要があります。

有効的な活用方法を考えるか、売却するかを早めに検討しておきましょう。

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この記事のライター

亀田 融

東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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