解体工事はまとまった工事費用がかかるほか、騒音や振動からトラブルが発生しやすい工事であるといわれています。そのため、業者選びがとても大切です。
しかし業者の選定方法や優良業者の特徴などがいまいち分からないという方も多いと思います。
そこでこの記事では、選んだ方がいい業者とやめた方がいい業者の特徴やチェックするポイントを紹介します。解体工事を無事に完了させるために、大切な業者選びも慎重に行いましょう。
目次
解体業者の探し方には、以下のような方法があります。
住宅メーカーや工務店の紹介 |
インターネット検索 |
不動産会社に相談 |
タウンページ |
知人の紹介 |
解体工事業者の比較サイト |
自治体に相談 |
どんな探し方でもかまいませんが、大切なのは1社だけではなく、複数の業者を候補に挙げるということです。
複数の業者に現地調査を依頼後、正式な見積もりを提出してもらいます。最終的にどの業者に解体工事の依頼を行うかは、見積もりを比較し検討すると良いでしょう。
優秀な解体工事業者の見つけ方については、以下の記事を参考にしてください。
まずはじめに、選んだ方がいい業者の目安となるポイントを5つ紹介します。
解体工事を依頼した業者が、自社施工であるかはとても重要です。
例えばA社が依頼を受けたにも関わらず、A社の下請け業者であるB社が実際の工事を担当するということがあります。
この場合はA社がB社に工事の発注をかけることになるので中間マージンが発生し、解体工事費用が高くなってしまいます。
また、何か問題が起こった時に施主とやりとりしている業者と実際工事している業者が違うので、情報伝達が遅れてしまうことも考えられます。
自社施工であれば中間マージンは発生せず、実際に工事する業者と施主が直接やりとりをすることができるため、疑問点や不明点をすぐに相談できることもメリットといえます。
見積もり書や契約書が明確に記載され、且つ分かりやすいかどうかもポイントになります。
見積もり書は項目ごとに数量や単価が詳細に記載されているか確認しましょう。中には細かい単価などを記載せず、一式表記になっていることもあるので、注意してください。
一式表記は、項目ごとに具体的な金額が記載されず「一式〇〇〇万円」と記載されるものを指します。
また、契約書については、工事内容・支払金額・工事期間が正しく記載されていることや、工事費用が前払いになっていないかを確認できると良いでしょう。
分かりやすい見積もり書や契約書であれば、施主と業者の認識のずれやトラブルを防ぐことにもつながります。
解体工事では、現地調査の段階で発見できなかった地中埋設物や古井戸などが見つかり、そのための追加費用が発生する可能性があります。
このようにやむを得ない理由で追加費用が発生したとき、どう対応するか事前説明がある業者は優良業者といえるでしょう。
もしも追加費用について説明がない場合は、必ず質問するようにしてください。質問するときは、追加費用が発生する条件と対応方法を聞いておくと良いでしょう。
悪徳業者の場合は当初の見積もりでは費用を安くし、後から高額な追加費用を請求してくるところが多くあります。
解体工事の追加費用については、以下の記事を参考にしてください。
工事中の事故や近隣住民からのクレームがあった場合の対処法を定めているかも、重要なポイントです。
優良解体業者であれば、過去にどんなクレームやトラブルや事故が発生し、どのように対応をしたかが記録が残っています。
このような過去のクレーム対応事例などは良い判断材料となりますので、確認をすると良いでしょう。
また、一般的に起こりやすい事故やクレームにはどんなものがあるのか聞き、真摯に回答してくれるかも確認するようにしてください。
解体工事で発生しやすいトラブルについては、以下の記事を参考にしてください。
解体工事には、建設業許可や解体工事業登録が必要になります。それぞれの概要は以下になります。
解体工事の際、500万円以上の工事を請け負う際には建設業許可、500万円未満の工事であれば解体工事業登録が必要になります。
また、建設業許可の場合は都道府県に関係なく解体工事を受注できますが、解体工事業登録の場合は登録を行った都道府県内で解体工事を行うことができます。
許可や登録の確認は、ホームページや名刺をはじめ、担当者に許可証などのコピーを見せてもらっても良いでしょう。
役所で許可情報の照会を行うこともできます。
続いて解体工事を依頼するのに、やめた方がいい業者のポイントを5つ紹介します。
解体工事を依頼するのに、契約書を発行しない業者はまず問題外です。特に知人の解体業者や、知人紹介の解体業者の場合には注意してください。
知っているからといって契約書の省略や口約束で工事を始めてしまうのは、後々大きなトラブルに遭ってしまう可能性が非常に高くなります。
たとえ知り合いだとしても、しっかり契約書を交わすようにしてください。どうしても契約書を渋るような解体業者は、知り合いであっても工事の依頼はやめておきましょう。
見積りや坪単価が解体工事の相場と比べて極端に安い場合も、契約しない方が良いでしょう。後から高額な追加費用を請求される可能性があるからです。
また、坪単価もチェックをしましょう。地域によって坪単価の相場はおおむね決まっています。
相場と照らし合わせて安すぎる場合、廃棄物処分費用を浮かせるために廃棄物を不法投棄している可能性もあります。
不法投棄をしたのは業者であっても、廃棄物の持ち主は施主なので、施主が責任を問われる可能性があります。
初めに提示した金額から、交渉の際に大幅に金額を下げる業者も信用がおけません。大幅に下げられるということは、初めから値引きを見越した価格設定をしているということです。
また、極端な値下げは工事の質の低下にもつながります。利益を出すために作業員を減らしたり工期を短くしたりと、無理な工程で作業を進めることになるからです。
無理に作業を進めれば作業員の余裕もなくなり、手抜き工事や不注意から事故のリスクが上がります。
予想外に費用がかかってしまった解体工事の失敗については、以下の記事を参考にしてください。
解体業者が賠償保険に加入しているか教えてくれない場合も、工事を依頼するのは避けた方が良いでしょう。
保険に加入していれば、万が一事故が起きた際に十分な補償を行えるという裏付けになります。
業者が保険に加入しているかどうかは、保険のコピーなどを見せてもらうことで確認しましょう。
なかなか電話がつながらず、連絡が付きにくい業者もやめた方がいいでしょう。
連絡が付きにくいと話がなかなか進まず、工事の進行がスムーズに運ばなくなってしまいます。
また、解体工事の遅延を起こしやすく、施工するという責任感が欠如している可能性があります。
更に、なかなか話が進まない場合は依頼する側も不安になり、ストレスとなってしまいます。そのため、連絡が付きにくい業者はやめておきましょう。
現在、産業廃棄物の委託処理における排出事業者責任の明確化と不法投棄の未然防止を目的としてマニフェスト制度が設けられています。
産業廃棄物は排出事業者が自らの責任で適正に処理することになっていて、その処理を他人に委託する場合にはマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付する必要があります。
廃棄を依頼された解体業者は、最終的なマニフェストをチェックすることによって廃棄物が正しく処理されたことを確認します。
このように、マニフェストは委託した産業廃棄物が適正に処理されていることを把握するためのものになります。
そのため、解体工事後にマニフェストE表(最終処分場で処理されたことを証する書類)の写しをもらえるかどうかを事前に業者に確認しておくと良いでしょう。
曖昧な回答をしたりコピーを渡すことを拒否される場合は、信頼できる解体業者とはいえません。
建設リサイクル法については、以下の記事を参考にしてください。
解体工事における業者選びにはたくさんのチェックポイントがありますが、悩んだときは本記事で紹介した厳選チェックポイントを確認してください。
【選んだ方がいい業者】
自社施工である |
見積書や契約書がわかりやすい |
追加費用に関しての事前説明がある |
不測の事態の対処法が定められている |
解体工事の許可・登録をしている |
【やめた方がいい業者】
契約書がない |
解体費用や坪単価が極端に安い/値段をどんどん下げてくる |
保険に加入しているかわからない |
話がスムーズに進まない |
マニフェストの発行がない |
合法的な工事をしているか、実績は十分にあるか、顧客からの評判は良いか、担当者は誠実で丁寧な対応をしているかなども考え、総合的に判断して解体業者を決めましょう。
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