解体工事における家具などの不用品の処分方法

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解体工事では、解体を行う前に建物の中の不用品を処分する必要があります。しかし不用品の処分方法に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

不用品の処分方法はそれぞれ異なり、特に特定の家電は処分方法が指定されています。そのため、処分方法を正しく理解することが大切です。

今回は、解体工事の前に家具などの不用品を処分する方法をはじめ、処分する際の注意点や残しておきたい家具の保管方法などを解説します。

家具などの不用品の処分方法は?

解体工事で生じる不用品の処分方法として以下の2つがあります。

  • 解体業者に依頼する
  • 自分で処分する

それぞれの処分方法を詳しく解説します。

解体業者に依頼する

解体工事を依頼する際、解体業者に家具などの不用品の処分もまとめて依頼することができます。

ただし、不用品によっては解体業者では処分ができないものがあったり、解体業者に依頼すると処分費用が高くなったりする場合もあるので注意が必要です。

解体業者に依頼するときは見積もりをとる

解体業者に見積もりを依頼し、いくら費用がかかるのか把握しておきましょう。

見積もりを取得する際は、複数の業者に依頼すると良いでしょう。複数の業者に依頼することで、費用などを比較検討することができます。

また、見積もりの算出がスムーズに行えるように、事前に処分する不用品をリストアップしておくと良いでしょう。

解体業者に依頼する方が安く抑えられるもの

解体業者に依頼する方が処分費用を安く抑えられるものは以下の通りです。

  • テーブルや棚、タンス
  • プラスチック製品
  • 鉄・金属製品

テーブルや棚、タンスなどの木製家具は、解体工事で生じた木くずと一緒に安い費用で処分できます。プラスチック製品や鉄・金属製品も、産業廃棄物として処分が可能です。

また、家具によっては無料で処分できることもあるので、事前に業者に確認しておきましょう。

自分で不用品を処分する

解体費用の節約で一番簡単にできるのが、不用品の処分を自分で行う方法です。

自分で処分した方がよい不用品は以下の通りです。

  1. 生ゴミや紙製品
  2. 食器などの陶器製品や台所用品
  3. 家電製品

生ゴミや紙製品、食器などは、自治体のゴミ回収を利用することができます。

しかし解体業者に依頼する場合は産業廃棄物として扱われるため、費用が高額になる場合があります。

また、家電製品の中でもテレビ・エアコン・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機は、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)によってリサイクル家電に指定されています。

このようなリサイクル家電は粗大ゴミとして回収してもらうことができません。リサイクル家電の詳しい処分方法は後ほど解説します。

自分で家具などの不用品を処分する場合

リサイクル家電の処分方法

リサイクル家電に該当するものは以下の6つです。

  • テレビ
  • エアコン
  • 冷蔵庫
  • 冷凍庫
  • 洗濯機
  • 衣類乾燥機

上記の家電は、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に基づく方法で処分する必要があり、粗大ゴミとして処分を行うことはできません。

リサイクル家電の処分方法は以下の通りです。

  • 家電を購入したお店に引き取りを依頼する
  • 自治体が指定する引取場所へ持ち込む
  • 自治体に問い合わせて引き取りを依頼する

リサイクル家電を処分する場合、購入したお店に引き取りを依頼します。

しかし購入したお店が閉店した場合やプレゼントされた製品で購入店が不明である場合は、自治体指定の引取場所へ持ち込むか、自治体に引き取りを依頼する必要があります。

自治体が指定する引取場所へ持ち込む際は、自治体が発行しているリサイクル券が必要になります。

リサイクル料金の金額は家電の種類やメーカーごとに異なります。

<リサイクル料金の一例>

エアコン990円
液晶・プラズマ式テレビ(16V型以上)2,970円〜
冷蔵庫・冷凍庫(171リットル以上)4,730円〜
洗濯機・衣類乾燥機2,530円〜
※参考「品目別メーカー別リサイクル料金」一般財団法人家電製品協会
https://www.kaiketsukr.com/feelist/

リサイクル料金を支払ったら、自治体が指定する引取場所に移動します。処分する家電のほかに、支払い済みのリサイクル券を忘れずに持っていきましょう。

自治体などに問い合わせて引き取りを依頼する場合、リサイクル料金のほかに収集・運搬料金がかかります。

依頼方法は自治体によって異なるので、お住まいの自治体のホームページを確認してください。

たとえば、東京23区にお住まいの場合は【家電リサイクル受付センター】に依頼すると回収してくれます。

粗大ゴミとして回収してもらう

リサイクル家電以外の家電や家具は粗大ゴミとして処分できます。

粗大ゴミのサイズ基準は自治体によって異なりますが、一辺の長さが30センチメートルを超えるものとしているところが大半です。

また、以下のものは粗大ゴミとして収集できないので注意しましょう。

  • リサイクル家電
  • パソコン
  • 消火器、バイク、ピアノ、タイヤなど処理が困難なもの
  • 事業活動にともなって生じたゴミ

粗大ゴミの処分方法としては以下の2つがあります。

  1. 収集
  2. 持ち込み

粗大ゴミの処分の手順について、東京都世田谷区を例に解説します。

上記の処分方法で処分を行うときは、まず粗大ゴミ受付センターに電話もしくはインターネットで申し込みます。

次に、有料粗大ゴミ処理券を購入します。有料粗大ゴミ処理券はスーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売しています。

有料粗大ゴミ処理券に氏名を記入し、品目ごとに貼りましょう。指定された収集日の午前8時までに粗大ゴミを指定場所に出します。

収集日や有料粗大ゴミ処理券の枚数については粗大ゴミ受付センターから案内があるので、忘れずにメモをとりましょう。

持ち込みの場合も、粗大ゴミ受付センターに電話もしくはインターネットで申し込みます。

有料粗大ゴミ処理券を購入し、処理券に受付番号と名前、持込日を記入し品目ごとに貼ります。

粗大ゴミを持ち込む際には、申込者の本人確認ができる書類(運転免許証など)を持参しましょう。

自ら粗大ゴミを持ち込んで処分した方が安くなる自治体もあり、例えば東京都世田谷区の場合は自ら粗大ゴミを持ち込む場合の手数料が半額(最低200円)になります。

また、粗大ゴミの申込数が多くなると収集してくれるまでに時間がかかるので、早めに処分しましょう。

リサイクルショップで買い取ってもらう

不用品をリサイクルショップで買い取ってもらう方法もあります。買取方法は以下の2つです。

  • 店頭買取
  • 出張買取

店頭買取は、自ら売却したい家具を店舗まで運び、買い取ってもらう方法です。小型家具の売却にはおすすめですが、タンスなど大型家具の場合は不向きでしょう。

出張買取は、スタッフが自宅を訪れ査定から買取を行う方法です。

査定額に納得したら、現金などで支払います。運び出しもスタッフが行うので、大型家具の場合は出張買取がおすすめです。

不用品回収業者に引き取ってもらう

不用品回収業者への引き取りは、スピーディーに処分したい場合や買い取りができないほど傷がある家具を処分したい場合におすすめです。

不用品回収では、リサイクル家電やパソコンなど粗大ゴミで回収ができないものも回収してもらえます。

土日対応可能な業者もあり、希望の日時に回収してもらえる点が魅力的です。

ただし回収する家具や家電によっては、費用が高額になる場合もあります。

家具などの不用品を処分する時の注意点

処分は余裕を持ったスケジュールで

不用品の処分は計画的に行いましょう。

引越しシーズンと重なる3月・4月や、年末年始・連休明けは申込数が多くなり、回収までに時間がかかることもあります。

解体工事日までに不用品をすべて処分できるように、早めの行動を心がけましょう。

悪徳業者に注意する

注意すべきなのは、悪徳業者の存在です。特に多いのが不用品回収業者とのトラブルです。

ここでは、国民生活センターに届いたトラブル事例を2つ紹介します。

  1. 不用品を回収するという巡回業者にビデオデッキのリサイクル料金を徴収された。
  2. 「無料」とアナウンスしながらトラックで巡回している業者を呼び止め、廃品回収を依頼した。作業前に無料であることを確認したが、不用品を軽トラックに積み終えたとたんに6万円を請求された。

①の事例は、ビデオデッキが特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)の対象品ではないのにも関わらず、リサイクル料金を請求しています。

また、②の事例のように無料回収とうたう業者が不用品を積み込んだときに「積み込み料金」として請求するケースもあります。

このような方法で料金を請求する業者などは、無許可で廃棄物を回収している可能性があります。安易に処分を依頼しないようにしましょう。

※出典 独立行政法人国民生活センター

家具などの家庭の廃棄物を回収できるのは、自治体から一般廃棄物処理業の許可を得た業者のみです。

一般廃棄物処理業の許可を持つ業者を探すときは、「一般廃棄物処理業許可業者一覧 〇〇(自治体名)」と検索してみましょう。

例えば以下の自治体では、一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者の一覧を公表しています。

残しておきたい家具はトランクルームへ

家具を一時保管しておきたい場合は、トランクルームの利用がおすすめです。トランクルームの種類は2つあります。

・屋内型
・屋外型

屋内型はカビや害虫の被害を受ける心配が少ないので、デリケートな家具を保管する場合はおすすめです。

しかし屋内型は、家具を車から建物の中に運びこむ必要があります。家具を持ったまま狭い入り口を通ったり、階段を上ったりするのは体力的にきついと感じる人もいるでしょう。

一方、屋外型は比較的料金が安めに設定されています。車をコンテナの近くまで寄せられるのが特徴です。

しかし屋外型は外気の影響を受けやすく、高温多湿な梅雨の時期に保管するとカビが生える可能性があります。そのため、防腐剤を置くといったカビ対策をしっかり行いましょう。

まとめ

家具などの不用品の処分について解説しました。

不用品の処分方法は、解体業者に依頼する方法と自分で処分する方法があります。解体業者に依頼する場合の大切なポイントは以下の通りです。

・価格を比較できるように見積りは複数業者に依頼
・テーブルや棚、タンス、プラスチック製品、鉄・金属製品は安く処分してくれる

不用品を自分で処分する場合、方法は4つです。

・リサイクル家電は特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に基づく方法で処分
・粗大ゴミとして回収
・リサイクルショップに買い取りを依頼
・不用品回収業者に引き取りを依頼

時期によって、不用品の処分に時間がかかることもあります。解体工事までに処分できるよう計画的に進めましょう。

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この記事のライター

解体エージェント 編集部

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