【プロが解説】残置物撤去の費用相場と節約方法

  解体する建物、廃棄物について
残置物撤去費用を含めた見積もりを計算
解体を検討している建物の種類はなんでしょうか?
残置物撤去の費用相場と節約方法

解体工事の際は、建物の中に残された不用品や家具などを撤去する必要があります。

これらのことを残置物(ざんちぶつ)と呼びますが、特に親などから相続した建物を解体する時などに、残置物が多すぎて処分ができないという方が多いようです。

これらの残置物は解体業者に処分を依頼することも可能ですが、自分で処分すれば費用負担を大幅に削減することができます。

そこで本記事では、残置物撤去の費用相場と節約方法について詳しくご紹介します。

残置物(ざんちぶつ)とは?

残置物(ざんちぶつ)とは?

残置物とは、以前住んでいた住人または建物の所有者が残したゴミのことをいいます。

残置物としては、家具や家電、布団や衣類、食器、生活雑貨、雑誌、本、置物、玩具などの全ての不用品が該当します。その家に後から運び込まれたもの全てが残置物といえるでしょう。

残置物の中でテレビなどの家電リサイクル法の対象にならないものについては一般廃棄物として自分で処分できます。

しかし解体業者に処分を依頼した場合には産業廃棄物として取り扱われるようになり、一般廃棄物として処分するよりも費用がかかってしまうのです。

たとえばベッドのスプリングマットレスを一般廃棄物の粗大ごみとして処分する時の処分費が2,000円程度の場合でも、産業廃棄物として処分する場合には5,000円かかってしまうこともあります。

このようなことから、残置物が多く残っているほど解体費用が割高になってしまうので、できるだけ解体工事に着手する前までに自分で残置物を処分しておくことが大切です。

施主自身でゴミ回収日に残置物を出したり、リサイクル業者や廃品回収業者に依頼して引き取ってもらったりすることで、解体費用の大幅なコストダウンが可能になります。

一軒家の解体工事の費用相場については、以下の記事を参考にしてください。

残置物撤去の流れ

残置物撤去の流れ

業者に残置物撤去を依頼する場合には、次の手順で行います。

1:打ち合わせ

撤去するものの確認を行います。

万一保管が必要なものがある場合には、事前にしっかりと業者に伝えておくことが大切です。

たとえば親が住んでいた実家の残置物を処分する場合には、思い出の品や思いがけない貴重品が出てくることがあるので注意が必要です。

2:仕分け

残置物は木、廃プラスチック、雑誌(紙)、混載ゴミ等の仕分け作業が必要です。たとえ廃棄処分する不用品であっても、しっかりと分別して適切に処分しなければなりません。

また、状況によってはリユース品と処分品との仕分けを行うこともあります。分別物の中には、買取業者に持ち込むことで買い取ってもらえる場合もあります。

3:搬出

分別した残置物を家屋から全て搬出します。

4:処分

処分するものは許可を持った処分業者に引き渡します。

残置物の処分は解体業者に依頼する他に、残置物処分・買い取りだけでも依頼できる業者があります。

こうした業者に依頼した場合には全てを廃材として処分するのではなく、買い取り可能なものは買い取って自社ショップで再販していることもあります。

この場合、残置物の処分費用が解体業者に依頼するよりも安くなるのがメリットといえます。

業者に依頼する場合の残置物撤去の費用相場

業者に依頼する場合の残置物撤去の費用相場

残置物撤去費用は業者によって違いますが、基本的には残置物の種類と現場の状況によって左右されます。

業者に依頼する場合の残置物撤去の費用は、1立方メートル(1m×1m×1m)あたりの金額で計算されることが多いようです。

具体的には1立方メートルあたり5,000円から15,000円程度になることが多く、戸建住宅の場合の残置物撤去費用の相場はおおむね15万円から30万円程度になるのが一般的です。

しかし費用はゴミの種類や量、搬出作業の容易さ、エレベーターの有無などによって変動するため、事前に業者に見積もりを依頼して確認しておくことが大切です。

残置物撤去の業者の選び方

残置物撤去の業者の選び方

残置物撤去を解体業者ではなく専門業者に依頼する場合には、業者のホームページなどをよく見て、経験豊富な業者を選ぶことが大切です。

近年は不用品の買い取りができる、残置物の保管場所を提供してくれる、などといったさまざまな業者もいるので、前向きに検討してみると良いでしょう。

一方では残置物撤去業者として不可欠な要件もあるので、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

「産業廃棄物収集運搬業」の許可を持っている

残置物は産業廃棄物となるので「産業廃棄物収集運搬業」の許可を受けた業者でないと運搬して処分することができません。

しかし中には許可を持たずに作業を行っている無許可業者もいるので、注意が必要です。

見積金額が他社と比較して極端に安い業者の場合には無許可業者の可能性があり、その場合には不法投棄などの違法行為をする危険性があります。

事前に必要な許可の有無についてしっかりと確認しておきましょう。

残置物撤去の実績が豊富

残置物撤去の業者を選定する上では、業者にどれくらいの残置物撤去の実績があるのかが非常に重要です。

過去の実績は業者のホームページなどでも確認できることが多いので、必ず確認しておくようにしましょう。

また、残置物撤去業者が不用品の買い取りも行っていたり、残置物の一時保管を行っていたりすることもあります。効率を考えた場合には、同じ業者に依頼できると非常に便利です。

これらの付加価値があるかどうかも、必ず確認しておくようにしましょう。

見積りが明確で丁寧

残置物撤去の業者を決定する際には必ず複数の業者に見積もりを依頼して、事前にその内容を十分に比較検討することが大切です。

見積書に記載された作業内容をしっかりと確認した上で、単価や数量についても不明な点がないようにしておく必要があります。

わからない点があれば積極的に質問して、疑問を解消しておくようにしましょう。

また、単に見積金額の安さだけで業者を選んでしまうと、中には見積もり書に適当な数量を提示しておいて、後から追加請求する悪質な業者もいるようです。

こうしたことがないよう単に金額が安いだけでなく、見積もりが明確でその内容についてわかりやすく説明してもらえるかどうかも業者を選定する上で重要なポイントです。

残置物撤去費用の節約方法

残置物撤去費用の節約方法

残置物撤去には、想定外に高額な費用がかかってしまうことが珍しくありません。

自分で処分すればほとんどお金がかからないのに、業者から提出された見積金額を見てびっくりする方も多いのではないでしょうか。

業者に依頼すれば面倒な作業を全て引き受けてもらえるので仕方がない面はありますが、少しでも費用負担を少なくしたいものです。

そこで残置物撤去費用の節約方法を紹介します。

不用品を自分で処分する

残置物の処分費は処分品の量によって立方メートル単位で計算されるため、自分で処分品の量を減らすことができれば、減らした分だけ処分費を安くできます。

多少の手間はかかりますが処分費は安くなるので、ぜひ前向きに検討してほしいと思います。

家庭ごみとして処分

可燃ごみやプラスチック、缶、びん、ペットボトル、資源ごみ等自治体によって分別のしかたが違いますが、定められた品目や方法にしたがって一般ごみとして出すことができます。

粗大ごみとして処分

粗大ごみは処分料を支払い、家電製品や家具、布団などを産業廃棄物として業者に頼むよりも格安で処分できます。

ただし、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、パソコンなどはリサイクル家電のため、粗大ごみとして回収してもらえないので注意が必要です。

リサイクルショップを利用する

自分にとって必要がなくなったものでも、まだ使える家具や家電、生活用品、本、衣類などはリサイクルショップに持ち込めば買い取ってもらうことができます。

持ち込む手間はかかりますが、買い取りで多少なりとも値段がつけば、処分費用を節約することが可能です。

また、残置物撤去業者の中には買い取りも行っている業者があるので、相談してみると良いでしょう。

フリマアプリを利用する

近年の傾向として、必要がなくなったものをフリマアプリを利用して個人間で売買する方法もあります。

価格は低く抑えられてしまいがちですが、不要になったものを捨てずに譲渡できるメリットがあります。

他にも「紙」や「服」「金属類」であれば資源として不用品回収業者に引き取ってもらったり、ホームセンターなどの無料回収ボックスに持って行ったりする方法もあります。

手間と時間さえ惜しまなければ、残置物処分費用を節約する方法はたくさんあります。

他の不用品の処分方法については、以下の記事を参考にしてください。

まとめ

同じ残置物を処分するにも一般の人が自分で処分すれば「一般廃棄物」として扱われ、安く処分することが可能ですが、業者に処分を依頼すると「産業廃棄物」になってしまいます。

処分者によってゴミの種類、処分方法が変わります。そしてそれと同時に処分費用も大きく変わってしまうので注意が必要です。したがって業者に残置物の処分を依頼した場合には、処分費用が高額になってしまうことは避けられません。

少しでも処分費用を抑えたい場合には、多少手間がかかっても少しずつ自分で処分することが大切です。

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この記事のライター

亀田 融

東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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