廃材処分費とは解体工事を行う際に発生した廃棄物を処分するための費用ですが、実際の解体工事では残置物の処分にも廃材処分費用がかかります。
残置物は解体工事業者にまとめて処分を依頼することができますが、その場合には費用が思ったよりも高額になってしまいがちです。
そこで本記事では、残置物などの廃材処分費の費用相場と節約方法について詳しく紹介します。
目次
廃材処分費とは、解体工事を行う際に発生した廃棄物をトラックに積み込んで処分場まで運搬し、廃棄するための費用のことをいいます。
解体業者やリフォーム業者に廃材処分を依頼した場合には、業者も処分場に持ち込んでお金を払って処分せざるをえません。
解体工事で発生した廃材であればともかく、残置物の処分にも廃棄費用がかかってしまうので、余分な費用が発生することになります。
さらに廃棄物を処分場まで運ぶためには、適正な許可が必要になることが法律で定められています。
一軒家の解体工事の相場については、以下の記事を参考にしてください。
解体工事の際に発生した廃材は、建設リサイクル法で定められた適正な処分方法で廃棄しなければなりません。
金額を安く抑えて受注するために不法投棄を行うことにより、廃棄コストを引き下げている悪質な解体業者も存在しています。
万一不法投棄が行われた場合には工事の注文者も処分の対象になってしまうので、業者の選定には十分に注意しなければなりません。
そのような事態を防ぐためにも、契約の前に廃材処分費の費用相場を把握しておくことが大切です。適正な価格を把握しておくことで、安すぎる場合には警戒することができます。
廃材処分には多少の地域差がありますが、4トンダンプ1台分の処分費用(運搬費+処分費)で60,000~80,000円程度になることが多いようです。
このうち廃材処分費用は廃材運搬費用とは別に廃材を処分するためにかかる費用のことで、廃材の種類ごとに1㎥あたりの金額が業者によって決められています。
また、廃棄物は「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれていますが、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(略称:廃棄物処理法)では次のように定義されています。
この他にも20種類の廃棄物が産業廃棄物に指定されています。
解体工事の際に発生する廃棄物は産業廃棄物として扱われ、処理責任は排出事業者が負うことになっています。
種類によって処理費用が異なりますが、リサイクルが不可能な物や他の廃棄物が混合している物は処理費用が高くなります。
廃材運搬費とは、解体工事によって発生した建築廃材や産業廃棄物を所定の処分場まで運搬して持ち込む際にかかる費用のことをいいます。
家屋の解体工事の際には、木くずやコンクリートガラなどの廃棄物が発生します。
これらは品目ごとに分類して処理する必要があります。その際の廃材運搬費は、2トントラックで約13,000円~15,000円、4トントラックで約25,000円~30,000円が費用相場になります。
解体工事費用のほとんどは、作業員の手間と廃材の処分費から構成されています。状況によっては、解体費用全体の半分近くを占めることもあるでしょう。
解体費用を節約するために廃材処分費を節約することは十分に可能です。
節約のポイントは、解体工事を行うまでに残置物をできるだけ少なくして解体業者の負担を軽くすることです。
多少手間がかかってもコスト削減効果が非常に高い方法もあるので、積極的に利用する価値があります。
そこでこの章では、廃材処分費用の節約方法を紹介します。
家の中にある「紙」や「服」「金属類」などの資源として再利用が可能なものは、個人でホームセンターなどの「無料回収ボックス」に持ち込み、処分することができます。
解体する建物の中に残置物が多くなるほど、解体工事費用がかかります。
不用品などの処分はできるだけ自分で行うことで、解体工事費用を節約できます。
可燃ごみやプラスチック、缶、びん、生活雑貨など一般ごみで出せるものは自分で処分することが大切です。
また、木材も30cmにカットすれば一般ごみとして処分することができます。
さらに家具や家電など粗大ごみとして処分ができるものであれば、解体業者に依頼するよりも格安で処分できます。
ただし、テレビや冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機、エアコンの4品目は家電リサイクル法の対象となり、粗大ごみとして取り扱うことができないので注意が必要です。
自分にとって必要がなくなったものでもまだ使える家具や家電、雑貨、置物、本、衣類、カーテンなどは、リサイクルショップに持ち込んで買い取ってもらうことが可能です。
少しは解体費用の足しになるので、積極的に利用したいものです。
家具や家電などは、すでに使用できなくなったものでも無料で引き取ってくれる業者があります。
このような業者に引き取ってもらう方法も検討しましょう。
庭の植木や雑草も解体業者に処分してもらうとその分除去費用がかかるため、自分で植木や雑草を処分しておくようにしましょう。
不用品の処分方法については、以下の記事を参考にしてください。
解体工事などの事業活動を通して発生した産業廃棄物は分別やリサイクルが義務付けられており、適正に処理しないと行政処分を受けることになります。
また、廃材処分費は地域によって相場が異なったり、解体工事着工後に追加料金を請求されたりすることがあります。
そこでこの章では、廃材処分費の注意点を紹介します。
解体工事の見積もり書を数社から取得すると、廃材処分費の見積もり金額に大きな差があることが少なくありません。
また、解体工事で発生する廃棄物は「産業廃棄物」扱いになるため、処分費に自治体による地域差が生じるケースもあります。
そのため、解体工事を行う場合だけでなく廃材処分のみを行う場合であっても、必ず複数の業者から相見積りをとって比較することが大切です。
解体工事では、まれに着工後に廃材処分費の追加料金を請求されることがあります。
見積もり書で「廃材処分 一式○○円」など、一式で金額が提示されていた場合には注意が必要です。
追加費用が高額な場合には注文者が不利益を被りやすくなるので、あらかじめこのような点を意識して見積もり書をチェックしておくことが大切です。
「一般廃棄物処理」の許可を持っていない解体工事業者に全ての廃棄物処理を依頼すると廃棄物処理法違反となる可能性があります。
また一般ごみも産業廃棄物扱いになり、廃棄物処理費用が高額になってしまうので注意が必要です。
その他廃材処分の際には以下の注意点があります。
かつて建築廃材は、種類に関係なく全てをまとめて処分していましたが、建設リサイクル法の施行に伴い、分別して処分することが義務付けられるようになりました。
そのため、解体工事で発生した廃棄物は、種類ごとに分別して搬出する必要があり、処理費用も廃棄物の種類ごとに決められています。
異物があると受け入れてもらえなかったり、コンクリートガラとアスファルトガラが混ざっている場合には追加処分費を請求されることもあります。
不用品回収専門業者に頼めば、家の中にある不用品は何でも回収してもらえると考えがちです。
しかし、食品などの生ごみ類や引火の可能性があるガソリンや灯油、ウイルス感染リスクが高い注射器などの医療器具については回収してもらえません。
回収できるかどうかがわからないものがあったら、まずは不用品回収業者に連絡して事前に相談することが大切です。
家電リサイクル法とは、一般家庭などから排出された有用な部品や材料をリサイクルして廃棄物を減らすとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。
回収方法にはルールが定められていて、引き取りを行うお店やその委託を受けた回収専門業者に引き取ってもらうためには、「家電リサイクル券」に必要事項を記入しなければなりません。
一般の粗大ごみとして取り扱うことはできないので注意が必要です。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは廃棄物が適切に処理されたかどうかを確認するために作成する書類のことです。
廃棄物の排出事業者(解体工事業者)には、マニフェストを作成する義務があります。
マニフェストに廃棄物処理の流れを記載することで、不法投棄などが行われずに廃棄物が適正に処分されたことを確認できます。
基本的には排出事業者と中間処理業者、最終処分場の間でマニフェストの受け渡しが行われます。
廃棄物処分の依頼者としても、マニフェストを確認することで違法行為などが行われずに適切に廃棄物が処理されたことを確認できます。
建設リサイクル法については、以下の記事を参考にしてください。
解体工事における廃材処分費が占める割合は廃材の種類によって変動しますが、おおむね解体費用の約4割を占めるとも言われています。100万円の解体工事であれば40万円ほどです。
多くの人が高いと感じると思いますが、廃材を法律に則って適正に処分しなければならないとなると、この費用を削ることはできません。
しかし費用をできるだけ節約するために、自分でできることがあります。
相見積りをとって解体業者を比較して選ぶほかに、ゴミや残置物を自分で処分するのは誰もが実践できる最も現実的な方法です。
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