20坪の建物の解体費用はいくら?構造別【木造・鉄骨造・RC造】に徹底解説

  解体工事の費用について
質問に答えるだけで解体費用相場がわかります
解体を検討している建物の種類はなんでしょうか?

20坪の建物を解体する際、一番気になることが解体費用だと思います。

解体費用には坪数ごとに費用相場がありますが、費用に一番大きな影響を与える要因は解体する建物の立地や構造だといわれています。そのため、解体費用の相場価格とともに解体費用が高くなるケースについて知っておくことが大切です。

この記事では、20坪の建物を解体する際の解体費用の相場価格や解体費用が高くなる場合の要因をはじめ、解体費用を安くする方法を紹介します。

20坪の家を解体する際の費用相場 

20坪の建物の解体費用

家の解体費用は現場の周辺環境や立地条件、建物の構造、規模などによって異なりますが、建物の構造ごとにおおよその坪単価相場があります。 

ここでは、20坪の家の解体費用相場を建物の構造ごとに紹介します。 

20坪の木造住宅の場合 

木造住宅を解体する際の費用相場は1坪あたり3~4万円といわれていて、20坪の木造住宅の解体費用は60~80万円程度になることが一般的によく知られています。 

しかし人件費や重機の保管費用、作業のしやすさなどが地域ごとに異なるため、解体費用にも多少の地域差があり、地域別の坪単価の目安は次表のようになります。 

地域 坪単価 
北海道・東北 2.5~3.5万円/坪 
関東 2.5~4.0万円/坪 
中部 2.5~3.5万円/坪 
近畿 2.5~3.5万円/坪 
中国・四国 2.5~3.5万円/坪 
九州・沖縄 2.0~3.5万円/坪 

20坪の鉄骨造住宅の場合 

次に鉄骨造住宅を解体する際の費用相場を紹介します。 

鉄骨造住宅の一般的な解体費用の相場は1坪あたり4~6万円が目安で、20坪の鉄骨造住宅の解体費用は80~120万円程度になります。 

地域別の坪単価の目安は次表のようになります。 

地域 坪単価 
北海道・東北 2.5~3.5万円/坪 
関東 3.5~6.0万円/坪 
中部 2.5~3.5万円/坪 
近畿 3.0~5.0万円/坪 
中国・四国 2.5~3.5万円/坪 
九州・沖縄 2.5~3.5万円/坪 

木造住宅と比較して若干費用が高額になる傾向があるといえますが、それほど大きな価格差はみられません。 

20坪のRC造住宅の場合 

RC造住宅は木造や鉄骨造の住宅よりも強固で頑丈な構造になっているため、解体工事を行う際には工事が大がかりになり、費用も高額になってしまうのが一般的です。 

RC造住宅の解体費用の相場は1坪あたり6~8万円が目安とされていて、20坪のRC住宅の解体工事費用は120~160万円程度になります。 

尚、地域別の坪単価の目安は次表のようになります。 

地域 坪単価 
北海道・東北 4.5~5.5万円/坪 
関東 6.0~8.0万円/坪  
中部 4.5~5.5万円/坪  
近畿 5.0~7.0万円/坪 
中国・四国 4.5~5.5万円/坪  
九州・沖縄 4.5~6.0万円/坪 

その他(倉庫・土蔵等)の場合 

20坪の建物の解体費用

上記以外の建物の解体費用は材質や構造、大きさ(建物面積、高さなど)によって大きく異なるため、解体業者に都度確認する必要がありますが、概ね次のようになります。 

建築物の種類 解体費用相場 
倉庫 15~60万円 
土蔵 35~50万円 
車庫 10~100万円 
農舎 25万円前後 

解体費用以外に追加で支払う必要がある費用 

解体費用以外に追加で支払う必要がある費用

住まいの解体工事では、建物を解体する費用のほかにも追加費用が発生してしまうことが少なくありません。 

そこでどんな場合に追加費用が発生するのかを事前に把握しておくことで、費用を最小限に抑えることができるようになります。 

この章では、建物を解体する以外に発生する費用について紹介します。 

残置物処理費用 

解体する家屋の中に、不要な家具や家電、日用品や衣類などが残っていると、解体業者がそれらを処分しなければならず、その場合には追加費用が発生します。 

これらの不用品は残置物(ざんちぶつ)と呼ばれ、本来であれば解体業者が工事に着手する前までに施主が自分で処分しておくべきものですが、残置物処分を解体業者に任せてしまう場合には別途で費用がかかります。 

また、解体業者がそれらの処分を行う場合には産業廃棄物扱いとなってしまうので、通常の一般廃棄物として処分するよりも高額な費用がかかるようになります。 

したがって残置物処理費用を節約したい場合には、あらかじめ注文者自身でこれらの不用品を事前に廃棄しておく必要があります。 

自分で可燃ごみや粗大ごみに出したり、まだ使用できるものであればリサイクルショップに持ち込んで処分したりすることで、多少の収入になる場合もあります。 

残置物撤去の費用や、不用品の処分方法についてはこちらの記事を参考にしてください。 

人件費や事務手続きのための費用 

解体工事の際の人件費は解体工事の価格に含まれていますが、これ以外に解体工事で使用する工事車両を公道に駐車しておくための道路使用許可申請が必要な場合には、申請費用がかかります。 

また、建設リサイクル法に関する届出やアスベスト除去の届出等を解体業者が行う場合にも、事務手続き費用が発生します。 

なお、人件費の相場は1日あたり1.5~2.5万円程度が目安になります。 

解体費用が高くなる原因 

解体費用が高くなる原因

同じ床面積の建物の解体工事を同じ業者に依頼する場合であっても、現場によって解体工事費が高額になってしまうケースがあります。 

この章では、解体費用が高額になる原因とその対処法を紹介します。 

解体する建物の立地条件 

解体工事費は、解体する建物の立地条件によって大きく影響されます 

住宅密集地や狭小敷地、前面道路の幅員が狭い場所で解体工事を行う場合などでは、重機や大型トラックが使用できないこともあります。

そのような解体現場では手作業が増えて廃材の搬出作業にも手間がかかってしまうので、解体費用が割高になります。 

また、交通量や人通りの多い場所で解体工事を行う場合は誘導員の配置を求められたり、作業期間が規制されることもあり、人件費が割高になります。 

建物の構造 

建物の構造が強固になるほど解体作業に手間がかかって、費用が割高になります。 

建物の解体費は木造<鉄骨造<RC造になるのは先に述べた通りですが、同じ構造でも建物の造りが複雑になるほど工期が長くなるため、解体費用は高額になります。 

また、3階建の建物は2階建の建物よりも解体費用がかかりますが、特に地下室がある場合には地中深くに基礎工事が施工されているので、その分解体費用は高額になります。 

都市部での解体

解体費用が高くなる原因

一般的に地方よりも都市部の方が職人の人件費やガソリン代、工事中のパーキング代、重機の保管費用(駐車場代など)、廃棄物の処理費用、近隣対策費などが高額になります。

そのため、都市部での解体工事の方が地方で行う解体工事よりも費用が高額になります。 

また、解体業者がいない地域でも遠方の業者に依頼する必要があるため、解体費用が割高になります。 

地中埋設物の有無 

解体業者は解体作業を行う前に現地調査を行い見積もり書を作成しますが、解体工事中に建物の下から予期せぬ地中埋設物が発見されることがあります。 

地中埋設物とは地中に埋まっているコンクリート塊や古井戸、浄化槽、その他のゴミなどのことをいいますが、それらは事前の現地調査では発見できないことがほとんどです。 

しかし工事中に万一地中埋設物が発見された場合には、追加工事費用が発生し、施主側が追加工事費を支払う必要があります。

万が一地中埋設物を撤去せずにそのまま放置してしまうと、その後の土地利用計画に支障をきたすこともなりかねません。

そのため、解体工事の予算は、業者の見積もり金額よりも多めにみておく必要があります。 

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。 

アスベストの有無 

アスベストとは天然に採取される鉱物の一種で、加工しやすく、耐火性や断熱性、電気絶縁性に優れています。

そのような性質を利用して一時期は断熱材や保温材、防音材として建築物に数多く使用されていましたが、人体に有害であることが確認されたために現在では使用が禁止されています。 

しかし築年数が古い家になるほどアスベストが使用されていることが多く、アスベストの使用が疑われる建物を解体する際には、解体工事に着手する前にアスベストの有無を調査する必要があります。

調査の結果アスベストの使用が確認された場合には、解体工事前にアスベスト除去作業を行うことが法律で定められています。 

通常は解体工事着手前の現地調査の段階でアスベスト使用の有無を確認することができますが、稀に工事中にアスベストが発見されることがあり、その場合にはアスベスト除去工事に追加費用がかかります。

アスベスト解体工事の流れについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

20坪の建物の解体工事の流れ 

20坪の建物の解体工事の流れ

家の解体工事を行う際には、事前準備が不可欠になります。 

事前準備をしっかりと行っておくことで、その後の工事を円滑に進めることができるようになります。 

そこでこの章では、解体工事を行う前に必要な手続きを紹介します。 

解体工事前に必要な届出 

工事を依頼する解体業者が決定したら、実際に工事を進めていくために必要な届出や申請を行います。 

解体工事を行う際には、建設リサイクル法に関する届出を行うことが法律で定められています。 

建設リサイクル法とは、建築物に使用されている木材や鉄などの特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進を目的に定められた法律のことです。 

この法律により、床面積の合計が80㎡以上の建物の解体工事を行う前には、建物を解体する旨を都道府県知事に知らせるための書類の提出が義務付けられています。 

届出義務は施主(注文者)にありますが、解体工事業者に委任して行うことが多くなっています。 

しかし建設リサイクル法の事前申請は工事着工日の7日前までとなっていて、これを怠った場合には罰則規定があるので注意が必要です。 

なお、業者に申請を委任した場合には、3万円程度の手数料がかかります。 

また、解体工事中に廃材の搬出車両を敷地の前面道路に駐車させたまま作業を行って交通の妨げになってしまう場合には、道路を管轄する警察署に「道路使用許可申請書」を提出します。 

申請は解体業者が行いますが、申請手数料がかかる場合もあります。 

各種届け出についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。 

ライフラインの停止 

家の解体工事に着手する前には、電気、ガス、上下水道のほか、電話やインターネット回線、ケーブルテレビなどのライフラインを停止しておかなければなりません。 

他にも浄化槽などがある場合には、事前に汲み取りが必要です。 

手続きは電話一本でできるケースがほとんどですが、停止するまでに2週間程度かかってしまうものや撤去費用が発生する場合もあるので、早めに停止手続きをしておく必要があります。 

なお、水道に関しては解体工事中に解体業者が粉塵の発生を抑えるための散水に利用することが多いので、事前に解体業者と水道使用の有無を打ち合わせしておきましょう。 

20坪の建物の解体費用を安く抑えるための7つの注意点 

20坪の建物の解体費用を安く抑えるための注意点

この章では、解体費用を安く抑えるためのポイントを紹介します。 

家具などの不用品は自分で処分する 

前述したように、解体する建物の中に不要な家具や家電、日用品などの残置物を解体業者が処分する場合は、産業廃棄物処理費用がかかります。 

解体費用は廃棄物の量に影響を受けるため、解体費用を少しでも安く抑えたい場合は、できる限り解体工事が始まる前にご自身で不用品の処分を行うことが重要です。 

不用品の処分方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。 

庭木や庭石などの処分を事前に行う 

庭木や庭石も廃棄物と同様に、解体業者に処分を依頼すると別途処分費用がかかります。

庭石はゴミとして回収してもらえない自治体が多いようですが、庭木は多くの自治体で回収・処分してもらうことができます。 

庭木の処分を解体業者に依頼した場合には1本ごとに処分費がかかってしまいますが、自分で処分できれば大幅な節約が可能になります。 

ただしゴミ出しのルールなどが自治体ごとに細かく決められているので、事前に各自治体のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。 

庭石や庭木の撤去費用やおすすめの処分方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。 

自社施工の解体業者に依頼する 

自社施工の解体業者に依頼する

解体工事は、ハウスメーカーや工務店でも工事を請け負っています。 

しかしその場合には、実際に現場で作業するのは下請けの解体業者になります。 

工事責任はハウスメーカーや工務店が負うことになりますが、工事を下請け業者に発注するために、実際の工事代金に中間マージン(元請業者の利益、紹介手数料)を上乗せした金額でハウスメーカー、工務店と契約することになってしまいます。 

そのため、解体費用を安く抑えたい場合には自社施工を行う解体業者に直接発注することが大切です。 

重機を保有している業者に依頼する 

解体業者の中には、重機を自社で保有していない会社もあります。 

その場合には重機のレンタル代金(リース代)が余分にかかってしまうため、解体費用が割高になってしまいがちです。 

少しでも費用を節約したい場合には、自社で重機を保有している業者に依頼するようにしましょう。 

必要な手続きは自分で行う 

解体工事を行う際には建設リサイクル法の届出のほかに、解体工事終了後には「建物滅失登記」などが必要になります。 

建物滅失登記とは建物が無くなったことを記録する登記のことで、建物の解体工事終了後1か月以内に行わなければならないことになっています。 

これを行わずにいると、すでに存在しない建物に固定資産税が課され続けたり、土地を売却する際に支障をきたしてしまったりしてしまうことになります。 

これらの手続きを代行業者に依頼すると手数料がかかってしまいますが、自分で手続きを行えば費用を節約することができます。 

解体工事の際の各種届け出や手続きの申請方法は、以下の記事で詳しく解説しています。 

自治体の補助金や助成金を利用する 

自治体の補助金や助成金を利用する

近年は空き家の増加を国や自治体で問題視する傾向があり、その解決策として老朽化した空き家の解体を対象に、地方自治体から助成金や補助金が支給されるケースが増えています。 

倒壊の恐れがある古い空き家などを解体して、地域を活性化しようというのが狙いです。 

しかし解体工事であればどんな場合にも補助金がもらえる訳ではなく、受給できる条件や金額などが自治体によって異なるので、解体予定の家屋がある場所の自治体に事前に問い合わせてみることをおすすめします。 

解体工事の際に助成金や補助金を受け取るための条件や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。 

業者選びの際に相見積もりを行う 

自分の希望に合った業者を探すためには、数の業者に同じ工事内容で見積もりを依頼すると良いでしょう。 

単に見積もりのトータル金額のみを比較するのではなく、提出された各社の見積書の内容を十分に比較検討して、総合的に最も信頼できそうな業者を選びます。 

その際には追加費用の扱いなどもよく確認した上で、万が一見積もり書の内容に不明な点がある場合には納得のいくまで説明を求めるようにしましょう。 

見積もり額が安かったとしても、説明に不明瞭な点が多いようであれば信頼できる業者とはいえません。 

解体業者の選び方や優良業者を見分けるポイントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。 

20坪の建物の解体費用は必ず安くできる 

20坪の建物の解体費用は必ず安くできる

解体工事費用は建物の構造が強固になるほど、または都市部で住宅が密集している場所に建っているほど高額になる傾向があります。 

都市部では職人の人件費やパーキング代、燃料代などが高額になることが多く、住宅密集地では重機や大型車両が使用できない、または使用制限があるといったデメリットがあります。 

そして20坪の家は都市部の住宅密集地に建っていることが多いので、解体工事の坪単価は高額になりがちです。 

しかし本記事で紹介したことをできる限り実践することで、解体費用は必ず安く抑えることができます。 

特に解体工事の見積もり金額は業者によって大きく異なることが多いので、複数の業者から相見積もりをとって、納得できる金額で発注するようにしましょう。 

また、一括で相見積もりを取得できる方法もあるので、活用してみると良いでしょう。 

まとめ 

20坪の家は建物自体は決して大きくないものの、解体するための条件がタイトになりがちで、解体費用が思ったよりも高額になってしまうケースが少なくありません。 

解体費用は建物の構造や立地に大きな影響を受けますが、自分で行動したり工夫したりすることで、費用を安く抑えることが可能になります。 

解体費用を少しでも安く抑えたい場合には、本記事に記載した内容を参考にしていただけたら幸いです。 

\ 見積もり後のお断りも大丈夫 /

この記事のライター

亀田 融

東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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