空き家の解体費用はどれくらい?解体のメリット・デメリットから補助金の解説まで!

  解体工事の費用について
空き家の解体費用を計算する
解体を検討している建物の種類はなんでしょうか?

空き家を解体したいものの、解体のための費用がどれくらいかかるのか気になっている方も多いと思います。また、費用面などへの不安から解体工事をするべきか迷っている方も多いと思います。

しかし空き家をそのまま放置し続けると、老朽化や地震による倒壊、不審火などにより近隣に悪影響を及ぼすといったさまざまな問題を引き起こす可能性があるため、なるべく早く解体する必要があります。

そこで本記事では、空き家の解体費用の相場、費用を安く抑える方法や補助金の活用方法、解体後に生じるデメリットなどを詳しく紹介します。

目次

空き家解体にかかる費用はいくら?

空き家解体にかかる費用はいくら?

空き家の解体工事にかかる費用は、建物の立地条件や周辺環境、築年数などにより異なるものの、建物の構造ごとにおおよその費用相場があります。

さらに対象の建物内に家具や残置物が残っている場合や建物が平屋の場合も費用が変動しますが、まずは費用相場を把握することが大切です。

なお、解体工事費用を捻出できない場合にはローンなどを利用する方法もあります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

坪数別空き家解体費用の相場

建物の構造別、広さ(延べ床面積)別の解体費用の相場は、概ね次の表のようになります。

 20坪30坪40坪
木造60~100万円90~150万円120~200万円
軽量鉄骨造120~130万円180~195万円240~260万円
重量鉄骨造130~140万円195~210万円260~280万円
RC造 (鉄筋コンクリート造)120~160万円180~240万円240~320万円

建物の解体費用の坪単価の相場は、木造の場合3~5万円/坪、軽量鉄骨造6~6.5万円/坪、重量鉄骨造6.5~7万円/坪、RC造(鉄筋コンクリート造)の場合6~8万円/坪となります。

空き家解体の付帯工事費用

解体工事費用は前述した費用のほかに、解体する建物の状況や現場の状況によって追加で付帯工事費用が発生することがあります。

主な付帯工事費用の目安は、次のようになります。

吹き付けアスベスト撤去費用(処理面積300㎡未満の場合)2~6万円/㎡ ※国土交通省ウェブサイトより
外構撤去ブロック塀:0.5~1万円/㎡ 門扉:3~5万円 庭木(3~5m程度):0.8~1万円/本
浄化槽撤去5~10万円
作業・工程追加のための人件費1.3~2万円/日

これらの費用はあくまでも概算になります。

実際の見積もり金額は現場の条件により異なる場合が多いので、必ず事前に業者から見積もりを取得するようにしましょう。

空き家解体の費用が高くなる可能性があるケース

解体工事費用には前述したように目安となる価格があるものの、さまざまな理由によって費用が高くなってしまうことがあります。

ここでは、費用が高額になる代表的な7つのケースを紹介します。

➀道路状況が悪い場合

家屋の解体工事は、一般的にショベルカーなどの重機を使用して行います。

しかし現場の周辺道路の幅員が狭くて重機の運搬車両が通行できない場合や、前面道路と敷地に著しく高低差がある場合などは、重機を敷地内に搬入することができません。

その場合、人力による手壊しになってしまうため、解体費用が割高になってしまいます。

また、前面道路が狭くて廃材の搬出車両を駐車しておくための道路使用許可の取得が困難だったり誘導員の配置が必要だったりする場合にも、追加費用が発生してしまいます。

②敷地いっぱいに建物が建っている場合

建物が敷地いっぱいに建っている場合にも、重機を敷地内に搬入することができません。

この場合には道路を使用しながら解体工事を行う必要があるため、道路使用許可の取得や誘導員の配置などで追加費用が発生します。

➂地震などの自然災害で家が壊れてしまった場合

地震や台風などで建物が倒壊してしまったり広範囲に破損してしまったりしている場合には廃材を分別して処理する必要があるため、余分な手間がかかってしまうことがあります。

その場合には職人を増やす必要があるため、その分人件費が割高になります。

➃火災で焼けた建物の場合

建物が火災による被害を受けている場合は作業は慎重に行わなければならず、手間がかかってしまいます。

また、罹災証明書の発行や火災保険金の受取、廃棄物処理などの補助金の申請、税の減免申請などが必要な場合には、通常の解体工事と比較して費用が割高になります。

さらに火災被害にあった廃材を火災ゴミとして処分していない状態であれば産業廃棄物処分費がかかるため、通常よりも処分費用が高くつきます。

➄石綿(アスベスト)が使用されている場合

アスベストとは天然の鉱石の中に含まれる繊維状の鉱物のことで、耐久性、耐熱性、防音性などに優れた性能を持っていることなどから、さまざまな建材に使用されてきました。

しかし近年では肺がんなどの健康被害を引き起こすことが知られるようになったため、アスベストの使用が禁止されています。

そのため、解体予定の建物にアスベストを含んだ建材が使用されている場合には、アスベストの危険度に応じてアスベスト除去工事を行う必要があります。

木造住宅に危険度が高いアスベストが使用されていることはほとんどありませんが、建物が鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合には注意が必要です。

気になるアスベストの除去工事については、以下の記事を参考にしてください。

➅建物の構造が鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合

建物が鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合にはアスベストが使用されている可能性が高いほか、建物が強固な構造であるため、木造の家屋よりも解体費用が高額になります。

➆空き家の中に荷物が残っている

建物の中に家具や家電製品、衣類、雑貨などの残置物が多く残っていて業者側が処分を行う場合には、産業廃棄物として分別処分を行う必要があります。

その際は解体工事に着手する前に作業を行うため、解体費用が割高になります。

優良な解体業者の選び方

解体工事費用は、さまざまな条件が加味された上で解体業者から提示されます。

そのため、単に金額の安さだけで業者を選んでしまうと、後から高額の追加工事費用を請求されてしまうことにもなりかねません。

業者選定は各社の見積もり書の内容や施工実績、資格、許認可などを良く吟味して、慎重に行うことが大切です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

空き家解体には補助金が使える?条件や注意点を紹介

空き家解体には補助金が使える?条件や注意点をご紹介

管理が困難な空き家を所有している場合には解体工事を検討する必要がありますが、その際に問題となるのが解体費用のことです。

日本では近年空き家問題が深刻化していますが、その原因として、解体費用を捻出できずそのまま放置するという背景があるようです。

しかし現在では多くの自治体に空き家解体を行う際に利用できる補助金制度があります。条件さえあえば、これらを有効に活用するのもひとつの方法です。

解体の補助金の詳細については、以下の記事を参考にしてください。

空き家解体に関する補助金制度5つ

空き家解体に関する補助金の呼び名は自治体によってさまざまですが、代表的な補助金の例には次のようなものがあります。

➀ 木造住宅解体工事費補助事業

老朽化が著しい木造住宅は地震などによって倒壊する危険があるため、一定の耐震基準を満たしていない木造住宅(旧耐震基準により建築された木造住宅)の解体工事費用の一部を補助する制度です。

② 老朽危険家屋解体工事補助金

長期間管理されることなく放置された家屋の解体工事費用の一部を補助する制度です。

補助金を受けるためには、自治体の認定や耐震診断を受ける必要があります。

➂危険廃屋解体撤去補助金

市内の景観や住環境を向上させることを目的とし、危険廃屋の解体工事費用の一部を助成する制度です。

➃都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金

都市の景観を守るために、長期間放置されている家屋の解体費用を補助する制度です。

支給を受ける条件として、空き家の所有者や相続関係者に対し、解体工事終了後に景観形成基準を満たす土地の利用方法が求められます。

➄建て替え建設費補助金

老朽化した家屋を解体して一定の基準を満たす住宅を建築しようとする施主に対して、解体費用や建築費用の一部を補助する制度です。

空き家解体の補助金制度の条件8つ

空き家解体工事の補助金や助成金を受けるためには、各自治体によって定められた条件を満たす必要があります。

どのような条件があるのかを見ていきましょう。

➀基準を超えた腐朽破損レベルである

特に傷みが見られない空き家の場合には、補助金・助成金の対象にならないことがほとんどです。

補助金・助成金を受け取るための条件として、基準を超えた腐朽破損レベルであることや、地震等で倒壊するリスクが高いことなどが挙げられます。

また、自治体による耐震診断が必要になるケースや、目視や調査により診断するケースなどがあります。

②自治体の基準よりも前年の所得が低い

自治体によって判断基準が異なりますが、前年の所得が高い場合は、補助金がなくても解体費用が賄えると判断されてしまいます。

また所得に限らず、預金高や資産についても判断基準となるケースがあります。

➂税金の滞納がない

補助金の財源は税金になります。そのため、税金の支払いを滞納している場合は補助・助成の対象にはなりません。

➃対象になる建物が空き家である

自治体が補助金を支給してでも解体する必要がある建物は、さまざまなリスクが高い空き家に限られます。

そのため、該当する建物に居住している人がいる場合は、補助金や助成金制度を利用することができない自治体が多いようです。

➄建物が現行の耐震基準を満たしていない

補助・助成の対象になる建物は倒壊する恐れがあると考えられるものなので、現行の耐震基準を満たしていないことが条件になります。

➅建て替えを行うことが目的ではない

空き家解体の補助金制度の目的は倒壊リスクの高い空き家を解体することなので、新築工事を行うための解体工事は支給対象外となります。

➆自治体の空き家バンク等に登録している

自治体によっては、空き家バンク等への登録が補助・助成の条件のひとつになっていることがあります。

➇抵当権が設定されていない

建物に抵当権が設定されている場合には、補助金や助成金が受け取れなくなることがあります。

空き家解体の補助金制度に関する注意点3つ

空き家解体の補助金制度を利用するためには、注意すべきポイントがあります。

ここでは、自治体の補助金を利用する際の注意点を紹介します。

➀補助金を受け取るための審査に時間がかかる

補助金を受け取るためには自治体の審査が必要になり、審査には申請してから数週間から1か月程度を要します。そのため、早めに申請準備を行う必要があります。

②補助金・助成金の受け取りは工事終了後になる

自治体の補助金審査が終了しても補助金・助成金の支払いは解体工事終了後になるので、解体業者への支払いは自己資金で行わなければなりません。

この点に十分注意する必要があります。

➂補助金制度の条件は自治体によって異なる

空き家の解体工事の補助金制度は、自治体ごとに条件が異なります。

国が一律で基準を作っているわけではないので、利用する際には補助金の支給要件等の確認が必要になります。

空き家解体にはローンも利用できる

空き家解体にはローンも利用できる

空き家を解体する際には、条件を満たせばローンを利用することができます。

この章では、解体工事を行う際に利用できるローンについてその概要を紹介します。

尚、空き家解体時のローンについての詳細はこちらの記事をご覧ください。

「解体工事費用は住宅ローンに組み込める?解体工事費用に使えるローンの種類や注意点、自治体による補助金制度などを解説」

住宅ローン※建て替える場合

古家の解体工事後の土地を利用して新たに住宅を建てる場合には、住宅ローンを組む際に建築費用の中に古家の解体費用を組み込むことができます。

ただし住宅ローンを利用して解体工事のみを行うことはできません。

空き家解体ローン

空き家の解体工事のみを行う場合には、地方銀行などの金融機関で扱っている空き家解体ローンを利用することができます。

住宅ローンよりも融資条件が緩いことが多く、保証人や担保が不要であることも空き家解体ローンの特徴です。

プロパーローン(無担保ローン)

プロパーローンと呼ばれる無担保ローンは多目的に利用することができるのがメリットで、解体工事のみを行う場合にも融資を受けることができます。

しかし保証人や担保が不要な分、審査が厳しくなる傾向があるので、スケジュールに余裕をみておく必要があります。

フリーローン

フリーローンはプロパーローンと同様、幅広い用途に利用することができるのが特徴です。そのため、解体する家が空き家でなくても借り入れをすることができます。

ただし住宅ローンと比較して、借入可能額が低く設定されています。

空き家を解体するメリット・デメリット

空き家を解体するメリット・デメリット

この章では、空き家を放置しておくリスクや、空き家を解体することのメリット・デメリットを紹介します。

なぜ空き家を解体する?空き家を放置するリスク

空き家を解体しないで放置しておくと、物理的な問題や経済的な問題、及び社会的な問題があるといえます。

それぞれには次のようなリスクがあります。

物理的な問題・倒壊・放火・損害などのリスク
経済的な問題・建物の維持費・修繕費・固定資産税などの支払い義務
・資産価値の減少
社会的な問題・不法侵入
・不法投棄
・行政代執行(行政上の強制執行の一種)

解体工事を先送りしてはいけない8つの理由については、以下の記事を参考にしてください。

空き家を解体するメリット・デメリット

空き家解体のメリット

空き家解体のメリットは以下の通りです。

  • 空き家を管理する手間から解放される
  • 周辺住民に迷惑をかけなくてすむようになる
  • 放火や不法投棄、不法侵入などの犯罪リスクの低減
  • 更地にすると売却時に有利になることが多い(高く早く売却できるようになる)

空き家解体のデメリット

  • 解体費用がかかる
  • 固定資産税と都市計画税の軽減措置が適用されなくなる(ただし特定空き家に指定された場合には、住宅用地の特例措置は適用されません)
  • 自分が生まれ育った家と思い出が消えてしまう場合がある

空き家解体に必要な準備や確認事項

空き家解体に必要な準備、解体の具体的な流れは?

この章では、実際に空き家を解体することになった際に解体までに依頼主がやるべき手続きと、手続きが終わった後の解体工事の具体的な流れと確認事項を紹介します。

なお、解体工事の流れについての詳細は以下の記事を参考にしてください。

解体工事の各種届け出や手続きについては、以下の記事で紹介しています。

空き家を解体する際は自分でやるべき準備をしっかりと行い、作業について事前に把握しておくことが大切です。

そこで空き家解体に関する必要な準備や解体後にやるべきことを紹介します。

➀解体業者の選定や工事を依頼する前にすべきこと4つ

解体業者の選定の際の前には、必ず解体予定の建物についての情報をまとめておく必要があります。確認しておくべき情報は以下になります。

  • 解体予定の建物についての情報
  • 前面道路や隣家からの距離
  • 残置物(不用品)の有無
  • 解体清祓や地鎮祭などを行うかどうかの判断
  • 補助金や助成金の申請

解体予定の建物については、建物の構造階数などをはじめ、図面などから延べ床面積などを調べておくと見積もり算出の時に役立ちます。

また、解体工事の際に不用品の処分を検討している場合は、業者側に処分を依頼するものなどを事前にリストアップしておくと業者側が計算しやすくなります。

その他では、解体清祓や地鎮祭を行うかどうか、自治体に補助金や助成金を申請するかを確認しておくと良いでしょう。

②解体業者の選定や工事を依頼する際にすべきこと2つ

解体業者の選定や選定した業者に依頼を行う際には、以下の2点に注意してください。

複数の業者から相見積もりを取得する

解体業者を選定する際には、1社ではなく少なくとも3社の業者から同じ内容で見積もり書を取得すると良いでしょう。

同じ内容で見積もり書を取得することにより、費用面や工事内容の比較を行うことができます。

現地調査に立ち会う

業者の選定後、現地調査が行われます。

現地調査の際には、契約後の行き違いや想定外の追加工事や追加費用を防ぐために、必ず施主自身が現地調査に立ち会うようにしてください。

その際は作業内容のすり合わせを行い、不明点などがあれば質問して解決しておくと良いでしょう。

➂業者選定後にすべきこと2つ

ライフラインの停止手続き

業者の選定後は、必ず期日までに電気や水道、ガス、電話会社(インターネット回線等含む)などのライフラインを停止しておく必要があります。

基本的には解体工事着工前までに行えば問題はありませんが、電話などは電話線などを撤去する工事なども行うため、1週間前までを目処に各所に連絡を入れるようにしてください。

また、水道に関しては解体工事の際に放水用として使用することがあるため、事前に業者と打ち合わせを行った上で撤去日を決定するようにしてください。

近隣への挨拶

解体工事の着工前に、近隣住民に挨拶を行う必要があります。その際には、工事内容や工事日程などを伝えておくと良いでしょう。

近隣への挨拶は、工事を円滑に進めるためにも非常に重要であるといわれています。

➃解体工事完了後にすべきこと4つ

工事完了後の確認

解体工事終了後は、解体後の土地の状態や周辺の清掃状態を確認する必要があります。その際、希望した整地方法で整地が行われているかも確認をしてください。

近隣への挨拶

工事により近隣との間でトラブルが発生していないかを確認してください。

最終工事代金の確認

解体業者と費用についての最終確認を行います。この際、追加工事や追加費用の有無について必ず確認をするようにしてください。

また、事前に伝えられていなかったものに関しては、契約書などで記載事項の確認を行った上で話し合いを行うようにしてください。

建物滅失登記の手続き

解体工事を行ってから必ず1ヶ月以内に、施主が建物滅失登記を行います。

建物滅失登記を行う際には、業者が発行する取り壊し証明書などの証明書類が必要となります。

空き家解体の具体的な流れ

空き家解体の具体的な作業の流れは以下のようになります。

養生

解体する家屋の周囲に足場を組んで建物を養生シートで覆い、必要な防音・防塵対策を行います

屋根撤去

材質ごとに分別しながら解体します

内装(天井、壁、床)、住宅設備機器撤去

内装材やアルミサッシ、木製建具、畳、断熱材、石膏ボード、住宅設備機器などを職人の手作業で解体しながら分別して搬出していきます。

建物の構造躯体、基礎解体

建物の構造躯体や基礎などの本体部分を、重機を使って解体します。

ガラ撤去、整地

解体で発生した木片やコンクリート片、鉄筋などを分別して搬出します。また、土に埋まっているガラ等がある場合には撤去後に整地を行います。

清掃

全ての作業が終わったら足場や養生シートを取り外し、周囲の清掃を行って工事完了です。

空き家解体前に確認しておくべき事項2つと空き家売却との比較

空き家解体前に確認しておくべき事項2つと空き家売却との比較

ここまでは空き家を解体することを前提に話を進めてきましたが、この章では空き家の解体を決定する前に確認しておくべきことを紹介します。

空き家解体前に確認しておくべき事項1:更地にした後の再建築の可否

空き家を解体して更地にしても、その土地に建物が建てられるとは限りません

既存の空き家が違法建築だった場合や、建築時には適法だったものの法律が改正されて現在の建築基準法では建物を建てることができない場合などもあります。

再建築不可の場合には将来的に売却するのも難しくなってしまうため、現行の法律上再建築が可能かどうかを事前によく確認しておきましょう。

空き家解体前に確認しておくべき事項2:更地にした後の固定資産税等の税金

建物を解体して更地にすると、固定資産税都市計画税などの税負担が跳ね上がる可能性があります。

固定資産税などは、土地の上に居住用の建物が建っている場合にのみ、減税を受けられる特例があります。

空き家解体後にすぐに売却できれば問題ないかもしれませんが、こうしたリスクがあるので事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

固定資産税についての詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

空き家の解体を考える時は、空き家の売却と比較して検討しよう

古い空き家の場合には、建物を解体して更地にした上で土地だけを売却した方が良いケースもありますが、建物の状況次第では空き家を解体せずに建物とセットで売却できるケースもあります。

売却を前提として考えるのであれば、建物を解体する前に不動産業者などの専門家に相談してみると良いでしょう。

空き家売却で税金が抑えられるタイミング

空き家売却で税金が抑えられるタイミング

家を相続後住む予定がなく空き家のままでは心配という場合には、一定の要件を満たすことで空き家を売却して得た利益(譲渡所得)から3,000万円の控除を受けることができます。

例えば相続した家を3,000万円で売却しても、税金がかかりません。これを空き家に係わる譲渡所得の特別控除の特例といいます。

ただしこの特例が適用されるには、相続した空き家に関するもの、期間に関するもの、その他の要件があり、すべてを満たしている必要があります。

期間に関する適用要件として、特例の適用期限とされる2023年12月31日までの売却であること、相続発生日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却であることがあります。

マンションなどの区分所有登記がされた建物や、売却価格が1億円を超える場合には適用されないなどの要件があるので、あらかじめ国税庁のホームページなどで適用要件を確認しておくと良いでしょう。

まとめ

何年も放置され続けた空き家は老朽化や不法投棄などの固定資産税の優遇措置が受けられなくなる(特定空き家)などの問題を招く恐れがあります。

空き家の増加による社会問題解消のために、国土交通省では「空き家対策総合支援事業」として空き家の除去(解体)や活用を行う自治体への支援を行っています。

これによって各自治体では、空き家の所有者が空き家を解体する際には補助金を出すなど、積極的に空き家対策を行うようになっています。

本記事では、空き家の解体費用や解体のメリット・デメリット、補助金の紹介などを行っているので、参考にしていただけると幸いです。

\ 見積もり後のお断りも大丈夫 /

この記事のライター

亀田 融

東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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