解体工事を依頼する場合、見積もり書の作成や工事費用の算出のための現地調査を行う必要があります。
この現地調査は解体工事業者が実際に解体する建物がある現場で行いますが、依頼主も立ち会いをした方が良いといわれています。
この記事では、解体工事の現地調査に立ち会うメリットと現地調査でのチェックポイント、遠方で立ち会いが難しい場合も対策などを紹介します。
目次
解体工事にはある程度の流れが決まっています。最初に解体工事の基本的な流れを把握しておきましょう。
1.業者選定・見積り依頼 | 見積りを依頼する解体業者を複数選定する |
2.事前打ち合わせ・現地調査 | 正確な見積もりを出すために事前打ち合わせ及び現地調査を行う |
3.見積り提出・契約 | 各社の見積り比較し、最適な業者と契約する |
4.各種手続き | 解体工事前に必要な届出をする ※業者が代行して行う場合が多い |
5.近隣挨拶 | 基本は業者が行うが、施主が同行すると誠意が伝わりやすい |
6.ライフライン停止 | 工事前にライフラインを停止する ※水道は工事中に使用する場合が多いので業者に確認する |
7.解体作業 | 建物の取り壊し工事を行う |
8.整地 | 解体が終わったら土地を平らにならす |
9.建物滅失登記の手続き | 工事終了後1ヶ月以内に提出する ※専門家や業者が代行して行う場合が多い |
10.完了 | 周辺住民への報告を忘れずに |
解体工事の基本的な流れは以上のようになります。完璧に覚える必要はありませんが、自分が工事を依頼するときにいつどう行動するかを知っておくと良いでしょう。
関連記事:
解体工事の現地調査とは、解体をスムーズに行うために必要不可欠なものです。
調査項目は周辺の道路状況・隣との境界や敷地付近の状況・解体する建物の状況・建物の付帯物の状況と大きく分けて4つあり、さらにそれぞれの項目ごとに細かく分けられます。
また、現地調査は業者が正確な解体工事費用を計算し、見積もりを出すためでもあります。実際に目で確認しないことには正確な見積もりを出せません。
それでも中には現地調査をせず、図面などを見ただけで見積もりを出す業者もあります。後々のトラブルを避けるために、現地調査をしない業者への依頼は避けましょう。
施工業者と日程を合わせてから、現地調査を行います。
「道路・敷地・建物・付帯物」を業者の方と一緒に確認していきますが、この4つをきちんと確認しないような業者は注意してください。
疑問があれば都度質問し、不安なまま工事を依頼するのは避けましょう。
現地調査の所要時間は木造2階建て・30坪で平均30分ほどが目安です。
現地調査は正確な見積りを出すためでもあるため、調査費用はかかりません。
また、現地調査を依頼したからといって必ずしもその業者に依頼しなければならないというわけではありません。
正確な見積もりを出すためにも必要な調査ですので、可能な限り見積りを取るすべての業者の現地調査に立ち会うことをおすすめします。
現地調査の際、経験豊富な解体業者であれば現場を見ただけで具体的にどんな工事が必要で期間がどのくらいになるかなどを説明してくれる場合もあります。
しかし地中埋没物などは見ただけでは分からないこともあるので、解体する敷地や建物の図面や資料を提示することで調査をスムーズに行うことができます。
解体業者側も立ち会いを求める場合が多いようです。
業者と施主の認識の違いはトラブルを引き起こす原因ともなります。そのため、施主も業者と一緒に現場を直接確認する必要があります。
どこをどう解体するのか、安全対策はどのように行うかなどの情報を共有しておくのが重要です。
現地調査に立ち会うことには、たくさんのメリットがあります。ここでは、現地調査に立ち会うことのメリットを紹介します。
解体工事で発生しやすいトラブルについては、以下の記事を参考にしてください。
現地調査のときに解体業者の印象を直接確認することで、業者の印象を確認することができます。
近隣住民への配慮や質問への回答の丁寧さ、価格への誠実さなど、対応をしっかり見て印象の良い業者を選ぶと良いでしょう。
信頼できる業者を選ぶことは、解体工事を成功へ導くためにかなり重要です。
施主と業者との間での解体範囲の認識のずれは、トラブルになりやすいといわれています。
実際に解体する予定のなかった隣と共有のブロック塀が壊されてしまい、結局新たな塀の設置費用を自己負担したという事例もあります。
現地調査の立ち会いは解体範囲を現場で見ながら伝えられますので、認識のずれの防止につながります。
現地調査に立ち会うと、必然的に業者とコミュニケーションをとることになります。
ある程度コミュニケーションをとることで信頼関係ができ、要望を伝えやすく相談もしやすくなるのもメリットの1つです。
現地調査では綿密に状態を確認するために敷地内に入る必要がありますが、立ち合いなしの調査を依頼すると防犯上のトラブルが発生する可能性もあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、可能な限り立ち会うようにしましょう。
現地調査のときに立ち会ったとしても、どこを見ればいいか分からないと困ってしまうかもしれません。
なんとなく終えてしまっては、せっかく時間を作って立ち会った意味がなくなってしまいます。
ここでは、立ち会い調査の際のチェック項目を紹介します。
重機やトラックの進入ルート |
目の前の道路の交通量 |
車両を止めるスペース |
隣地との境界 |
敷地境界のブロック塀等の所有関係 |
建物の面積と構造 |
屋根と外壁の素材 |
アスベストの有無 |
電線の引き込み具合・ガス、水道の栓 |
浄化槽かどうか |
付帯物(ベランダ・ウッドデッキ・浄化槽など)について |
庭や残置物の有無 |
現地調査の際は、業者任せにせず一緒に確認するようにしてください。
また、業者が上記の項目を確認しているかも必ずチェックしてください。
現地調査を行わない業者ははじめの業者選定の段階で外しましょう。
解体現場は、例えば建物の図面が似ていたとしても、立地条件や周辺の状況によって解体方法が違ってくる場合も多々あります。
また、道が狭く重機の搬入ができなかったり停める場所がなかったりというのは、周辺の道路状況を見ないことには分かりません。
重機などの駐車場所をめぐり、近隣住民とのトラブルになってしまったという事例も発生しています。
解体現場は現場により工事内容が異なるため、余計なトラブルを回避するためにも必ず現地調査を行った上で工事を依頼しましょう。
優良解体業者の選び方については、以下の記事を参考にしてください。
現場近くに家族や親族がいるのであれば、立ち会いを代行してもらうようお願いをしてみましょう。
オンライン査定などもありますが、直接関係者が足を運ぶことにより後のトラブルを防止することができます。
解体現場の写真や資料を準備して業者に提出したり、当日業者が現場調査している間に電話で案内したりして、すべてを解体業者に任せるのは控えてください。
できれば親族などに代行してもらい、さらに写真や資料で補足、電話で案内ができればなお良いでしょう。
どうしても立ち会いができない場合もあると思います。
「解体は見送ろう…」と思ってしまうかもしれませんね。しかしご安心ください。遠方でも解体エージェントがサポートするので、現地調査に立ち会えなくても大丈夫です。不安があればいつでもご相談ください!
解体工事の現地調査は、なるべく立ち会う方が良いとおすすめしてきました。図面だけ見て現地調査をしない業者も中にはいますので、そのような場合は選ばないようにしてください。
また現地調査の立ち会いをする際は、何となく終えてしまってはいけません。チェックポイントを把握して、しっかり立ち会いましょう。
解体現場と住んでいる場所が離れていてどうしても立ち会えない場合は、解体エージェントがサポートいたします。
関連記事:
\ 見積もり後のお断りも大丈夫 /
2022年04月05日
住宅の解体工事を行う際には、解体工事の前に浄化槽の汲み取りが必要です。 汲み取りを行わないまま解体工事をしてしまうと溜まった生活排水が地下に流れ出てしまい、地下水や土などに悪影響を与えてし...
2022年04月05日
建物の解体を検討しているのですが、建材にアスベストが含まれていた場合は解体費用が高額になると聞いたため、アスベスト含有の有無を自分で調べる方法が知りたいです。 アスベスト含有の有無は建物の築年...
2021年04月23日
家屋の解体工事は一般の方でも何となくイメージできると思いますが、駐車場の解体工事となるとイメージできる方が少ないのではないでしょうか。 駐車場にはアスファルトやコンクリートで舗装されただけの...