「解体工事に最適なタイミングなんてあるの?」と思う人も多いのではないでしょうか?
結論からいえば、業者の繁忙期に工事を依頼するより閑散期に依頼した方が解体費用は安くなります。また、税金との関係も考えて解体工事の時期を判断する方も多いようです。
そこでこの記事では、解体工事を進めるベストタイミングをさまざまな観点から紹介します。
目次
繁忙期に解体工事を依頼すると、なぜ費用が高くなるのでしょうか?その理由は主に以下の4つに分けられます。
以下では、それぞれの理由について詳しく説明します。
繁忙期は解体業者も人員不足になるため、人件費の高騰につながります。
もともと建設業界は人員不足なので、繁忙期はそれに拍車がかかる形になります。
また、値引きしなくても仕事が入る状態ですので、見積もりの際に値引き交渉に応じてくれない可能性もあります。
繁忙期は解体工事の受注件数が多いので、その分廃材の総量も多くなります。
解体で出た廃材は、分別・運搬・処分場で処理という流れで最終的に処分されますが、繁忙期は各過程で普段以上の人員が必要となります。
また、繁忙期は近隣の処分場がいっぱいになっていることがあります。そのような場合は遠方の処分場まで廃材を運ぶことになり、運搬費が高くなるのも理由の1つです。
繁忙期の解体工事は業者が多くの解体案件を抱えるため、閑散期に比べて重機のリース代が高騰します。
また、近隣の重機が全てリースされている場合は遠方からリースする必要があるため、運搬費もその分高くなります。
解体業者の中には公共工事や法人向けの工事を請け負っている業者も多いため、工事の発注が集中する年末や年度末などは、解体費用の相場が高くなる傾向があります。
次は月ごとに解体工事をするタイミングはいつが良いのかを見ていきましょう。
ただし依頼する業者や地域によって少しずつズレがあるかと思いますので、あくまで目安として参考にしてください。
1月は基本的に、解体工事の繁忙期となります。
年度末に解体工事を終わらせたかった人が2月・3月にスケジュールを押さえられなかった場合、1月に依頼することが多くなるためです。
また、年末年始休暇なども重なり、1月は業者の稼働日自体が少なくなります。
2月・3月は決算月が集中し一般企業も忙しくなる季節ですが、公共工事もこの時期に多く発注されます。
解体業者は公共工事も請け負っているため、この時期は通常より非常に忙しくなります。そのため、2月・3月には建物の解体工事を受注していない業者もあるようです。
4月・5月は解体業者の閑散期といわれています。
しかし費用の面では繁忙期の事務処理のため、レートをあまり変えていない業者もいるようです。
寒さが和らいできて業者もそこまで忙しくないので、現地調査には最適の時期といえるでしょう。
6~9月は4月・5月と同じく閑散期です。
しかし天候による要因が大きく、梅雨や台風、猛暑の問題などから、解体工事を行う時期としては不向きな季節になります。
雨だけなら工事を中断するということはありませんが、台風で強風が吹くような日は工事がストップしてしまいます。
その場合は工期も長くなり、追加費用がかかる可能性もあります。
10月は比較的安定した月といえるでしょう。
解体業者もとても忙しいわけではなく、気候的にも現地調査や解体工事に向いています。この時期に発注をすると、こちら側の要望も通りやすいかもしれません。
12月も、年末や年度末と同じく繁忙期にあたります。
特に12月末になると解体業者も休暇に入るため、工期が延長してしまう可能性が出てきます。延長すると人件費などが上乗せとなり、費用も高くなる可能性があります。
また、固定資産税の割賦日は1月1日なので、年末までに必ず工事を終わらせたい人は、念のため解体工事が11月中に完了するようにしましょう。
解体工事費用を安く抑えたいのであれば、スケジュールには余裕を持ちましょう。
閑散期を狙うのももちろんいいですが、もっとおすすめの方法があります。
解体も含まれる建設業界は人員不足といわれています。しかし空き家対策特別措置法の影響もあり、解体工事の件数は増えつつあります。
すでに人員不足で工事の件数は増えるということは、解体工事において人件費は価格が下がりにくいといえるでしょう。
職人が高齢化していくという背景もあり、むしろ今後は高騰していくと予想されているのです。
そこでおすすめなのが、工期は半年くらい余裕を持たせることです。
半年の余裕があれば、業者が比較的手が空いたときに工事をするよう提案をしてくれる可能性もあります。
その場合季節に関係なく、その業者にとっての閑散期となるので、値引き交渉が通りやすくなります。
業者と施主どちらにとっても、工期に余裕を持つことには利点があるのです。
ここでは、解体工事を避けるべき時期を紹介します。
雪が積もらない地方に解体する建物があるのであれば、気にする必要はありません。しかし積雪地方では、この時期に工事を依頼するのは避けた方が良いでしょう。
雪が積もると重機の移動にも費用がかかり、解体作業もスムーズにはいきません。
また、雪がたくさん積もると工事前に雪かきを行う必要もあります。自分で雪かきをすればいいですが、業者に頼むと当然費用は上乗せされます。
地域によって11月~3月まで雪が降るところもありますので、建物がある地域の天候をよく調べておくと良いでしょう。
地域によっても異なりますが、台風シーズンである7月〜10月も避けたほうが良い時期になります。
台風が来ている場合は、暴風で隣家に被害が及ぶ可能性や足場が崩れ作業員の怪我につながる恐れがあるため、解体工事は一時中止になります。
特に8、9月は毎週台風がくるような地域もあります。そのような場合は工期が長くなり、結果的に人件費や重機のリース代を追加請求される可能性が出てきます。
普通の雨であれば、解体工事はまず止まりません。しかし大雨の場合は一時中止することもあります。
また、工期が長くなる場合は追加費用を請求される可能性もあります。
一方、梅雨の時期には解体工事を行う上でのメリットがあります。
雨が降ると業者は散水しなくて良くなるほか、雨でほこりなどが飛散しにくくなり、近隣住民からクレームが起こりにくくなります。
また、予定通りに工事が進んだ場合は追加費用の心配も少なくなります。
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年回りとは特定の年齢によって運勢の吉凶があるとされることを意味し、「厄年」とも呼ばれています。厄年には科学的な根拠はなく、宗教的な意味合いが強くなります。
個人の考えによるところですが、特に気にしないのであればそのまま工事を進めてしまいましょう。
特に倒壊の可能性があるような空き家の場合は、特定空き家に指定される恐れもあります。
先延ばししてリスクを抱えるよりは、早めに解体をしてしまった方が良いでしょう。
土地や建物を所有している場合、毎年固定資産税がかかります。しかし住宅がある土地は住宅用地特例が適用され、税金が安くなるという措置がとられています。
ここではこの特例措置について少し詳しく説明しておきます。解体するタイミングをはかるためにも覚えておきましょう。
建物を解体し更地にすると固定資産税の特例措置がなくなり、税金が高くなります。
正確にいうと特例が受けられなくなるので、通常の金額に固定資産税が戻るということです。
固定資産税は毎年1月1日を割賦期日とし、その時点で滅失されているかどうかで金額が決まります。そのため、工事の時期を調整すれば節税ができるのです。
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空き家を相続した場合、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」を受けられることがあります。
ただしこの特別控除を受けるためには相続をしてから3年後の年末までに譲渡し、それまでに耐震補強するか解体をしないといけません。
また、以下の条件を満たす必要もあります。
以上の条件を満たす場合に特別控除が適応されますが、適応期間は2023年12月31日までとなっています。
解体工事をするタイミングを検討する際は、まず税金のことから考えると良いでしょう。そしていざ解体するとなったら、工事に最適な時期を考えていきます。
閑散期を狙うのは良い手であるといえますが、天候についても十分検討する必要があります。
また、現地調査も自分が同行することを考え、調査しやすい時期を選ぶと良いでしょう。
スケジュールに余裕を持ち、自分にとってベストタイミングで解体工事を行ってください。
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