解体工事にはまとまった費用が必要ですが、ローンを使用して解体工事を行いたいと思っている方も多いと思います。
しかし解体工事費用に対しローンが組めるかどうか、ローンの種類にはどのようなものがあるのかについて詳しく知らないという方も多いと思います。
そこでこの記事では、解体工事費用捻出の際に組めるローンの種類や特徴などを紹介します。
また、解体費用の費用相場や内訳、解体工事の際に使用できる自治体の補助金制度についても紹介します。
目次
解体工事の費用相場は100万円〜300万円ほどとされており、解体工事を行う際はある程度のまとまった現金が必要です。
しかしまとまった現金を用意できないという方や、現金のみで支払うことができない場合は、ローン支払いを行うことが可能です。
解体工事費の支払いに使用できるローンには、住宅ローンや解体ローン、プロパーローンやフリーローンなどといったローンがあります。
これらのローンは、借り入れを行う金融機関によって融資を受ける際の条件や金利などが異なります。
ローンには、用途が明確である場合に借入を行えるローンと、用途が明確でない場合であっても借入が可能なローンがあります。
ここでは、ローンの仕組みを紹介します。
用途が明確であるローンには、子供の教育資金として利用されるための教育ローンや住宅ローン、自動車ローンなどがあります。
これらのローンはあらかじめ指定されている用途以外で利用することはできません。
しかし通常のカードローン・フリーローンと比較すると金利が低いことが特徴です。
用途が明確ではないローンには、フリーローン・カードローンなどがあります。
用途が明確であるローンと比べるとさまざまな用途に利用することが可能ですが、金利が高いことが特徴です。
これらのローンはクレジットカード会社や金融機関で取り扱われています。
解体工事の費用をローンで支払う場合は、解体ローンを組むことができます。
解体ローンはさまざまな名称で呼ばれていますが、住宅ローン・プロパーローン・空き家解体ローンなどもその一種です。
これらのローンを利用する際は、まずはローンの借り入れを行う金融機関に相談し融資の許可を受けることが必要になります。
また、申込書の作成から審査まで時間がかかることもあるため、ローンの融資を検討している方は早めに相談に行くことが大切です。
場合によっては実際に銀行の窓口で手続きをする必要がありますので、申請は早めに行うようにしましょう。
ここでは、解体工事に使用できるローンの種類を紹介します。
住宅の建て替えを行うために現存の家を解体する場合は、住宅ローンに解体工事費用を組み込むことが可能です。
解体工事と建て替え工事をセットにすることでローンを利用することができるため、解体工事を単体で行う場合は融資の対象外となる可能性があります。
フラット35は長期間低金利でローンを組むことができる長期固定金利ローンですが、解体工事費用をフラット35に含めることも可能です。
しかしフラット35に解体工事費用を含めるにあたっては、一旦手元に現金を用意しておく必要があります。
フラット35では住宅が完成したタイミングで融資が行われますが、解体工事については解体が完了したタイミングで支払いを行う必要があります。
そのため、フラット35の融資に間に合わない可能性が高くなります。
依頼するハウスメーカーによっては現金の用意が必要ない場合もありますが、ご不安な方は担当者に事前に確認・相談をしてみると良いでしょう。
解体ローンは別名「空き家解体ローン」とも呼ばれており、これから住む予定がない建物や老朽化した建物を解体する際に組むことができる解体工事のためのローンになります。
住宅ローンと比較すると金利が安く融資の条件も比較的緩いため、組みやすいローンであることが特徴です。
また、保証人・担保が不要である場合も多く手軽に利用しやすいことから、多くの方が利用しています。
解体ローンは地方銀行や信用金庫で多く取り扱われていますが、各金融機関によりさまざまな条件が定められているため、シミュレーションや比較を行うことをおすすめします。
近年は空き家問題が深刻化している影響から、空き家の解体を行う際に補助金を出している自治体も増加しています。
各自治体によっても補助金支給の諸条件が異なるため、詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。
プロパーローンは「無担保ローン」とも呼ばれ、さまざまな目的に合わせて使用でき、保証会社や保証人なしで申込み可能なローンです。
プロパーローンは審査が厳しく、一般的には審査が完了するまで通常2週間から1ヶ月ほどの期間がかかります。
しかし解体工事のみでも融資を受けることが可能ですので、保証人を立てることができない方におすすめです。
借入可能な額 | 10万円〜50万円 |
借入可能期間 | 半年〜10年 |
担保の有無 | 不要 |
保証人の有無 | 不要 |
金利 | 変動金利または固定金利 |
年齢 | 満20歳から満65歳 ( 満70歳まで借り入れ可能な金融機関もあり) |
必要書類 | ・見積もり書 ・契約書 ・所得証明書 ・免許証などの身分証明書 |
利用できる主要な金融機関 | 三菱東京UFJ銀行・りそな銀行・ みずほ銀行・ 三井住友銀行・ゆうちょ銀行など |
フリーローンはその名の通りさまざまな目的で使用することが可能なローンです。
住宅ローンと比較した際に借り入れ限度額が低く、金利も高いことが特徴です。
大手の主要銀行では借入限度額が300万円、ゆうちょ銀行の場合は500万円が借入限度額とされています。
しかし解体工事のみを行う際には、一般的な住宅であれば問題がない金額といえるでしょう。
ローンの種類 | フリーローン |
借入可能金額 | 10万円〜300万円 |
借入可能期間 | 1年〜10年 |
借入可能な年齢 | 満20歳から満70歳の誕生日 |
担保の有無 | 不要 |
保証人の有無 | 不要 |
金利 | 変動金利方式・固定金利方式 |
各種条件など | ・前年度の年収が200万円以上 ・勤続1年以上 |
三菱東京UFJ銀行のフリーローンは、満70歳の誕生日まで借入ができることが特徴のフリーローンです。
前年度の年収が200万円以上、勤続年数が1年以上が条件ですので、比較的審査がゆるいフリーローンといえます。
ローンの種類 | 多目的ローン |
借入可能金額 | 10万円〜300万円 |
借入可能期間 | 半年〜7年 |
借入可能な年齢 | 満20歳〜満66歳 (最終返済時の年齢が満71歳未満) |
担保の有無 | 不要 |
保証人の有無 | 不要 |
金利 | 変動金利方式・固定金利方式 |
各種条件など | ・勤続2年以上である ・保証会社の保証を受けることができる ・前年度の年収が200万円以上で継続した安定収入が見込める |
みずほ銀行のフリーローンは借入期間が最短半年と、短い期間であっても利用できるフリーローンです。
勤続年数2年以上であることや、継続した安定収入があることが審査基準になります。
ローンの種類 | フリーローン(無担保) |
借入可能金額 | 10万円〜300万円 |
借入可能期間 | 1年〜10年 |
借入可能な年齢 | 満20歳から満65歳以下 |
担保の有無 | 不要 |
保証人の有無 | 不要 |
金利 | 変動金利式・固定金利式 |
各種条件など | ・プロミス株式会社の保証を受けることができる ・契約時に来店できる ・日本国内居住者である ・前年度の年収が200万円以上で安定収入がある |
三井住友銀行のフリーローンは、日本国内居住者向けのフリーローンになります。
借入期間は最低1年、前年度の年収が200万円以上であることが借入の条件となります。
ローンの種類 | スルガ銀行フリーローン(無担保) |
借入可能金額 | 10万円〜500万円 |
借入可能期間 | 半年〜7年 |
借入可能な年齢 | 満20歳から満70歳 (最終返済年齢が満77歳未満) |
担保の有無 | 不要 |
保証人の有無 | 不要 |
金利 | 固定金利式 |
各種条件など | 満77歳までに返済可能な方 |
ゆうちょ銀行は、するが銀行をローンの代理業者としています。
借入可能金額は500万円までと、銀行に比べ高額であることが特徴です。
また、満77歳までに返済可能な方であれば比較的簡単に借入ができるローンになります。
解体工事を行う際は、基本的にまとまった現金を用意しなくてはなりません。
しかしローンの借り入れを行うことで、手元に現金を用意しなくても解体工事を行うことができるのが大きなメリットになります。
解体工事のみの利用の場合は住宅ローンに組み込むことはできませんが、ローン自体は比較的安い金利で申し込むことができます。
ここでは、解体工事費用に利用することができる自治体の補助金制度について紹介します。
老朽化が原因で倒壊しそうな建物を解体する際の補助金として、老朽危険家屋解体撤去補助金があります。
この助成金を受け取るには、お住まいの自治体が提示している助成金受給のための要件を満たしている必要があります。
この要件が満たされているかどうかを調査し、審査をクリアしてから助成金を受け取るのが申請の流れです。
都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金では、老朽化した建物の解体費用の一部が支給されます。
助成金の申請は原則として、空き家の所有者や空き家の相続関係者が行う必要があります。
また、解体後は景観形成基準を満たすように土地を活用する必要があります。
建て替え建設費補助金では、空き家を解体し、その後一定基準を満たす住宅を建設する際に解体費用・建築費用の一部が助成されます。
補助金を受給する条件として、賃貸部分を含むことなどの条件があります。
木造住宅解体工事補助金では、木造住宅の倒壊を防止するために解体する費用の一部負担を行います。
受給するには木造住宅の耐震診断を行い、条件を満たす必要があります。
ブロック塀等撤去費補助金では、ブロック塀の高さが1メートル以上を超える建物を解体する際にかかる費用の一部が補助されます。
この補助金はさまざまな自治体で行われており、道路や公共施設に面している建物を対象に適用されています。
解体工事への助成金は、さまざまな自治体で支給が行われています。
しかし助成金を受け取るために必要な条件や注意点は自治体ごとに異なるため、必ず事前に確認を行っておきましょう。
解体工事の助成金や補助金を受け取るための条件は、以下の記事を参考にしてください。
今回の記事では、解体工事を行う際に組むことができるローンの種類やそれぞれのローンに対する金利、助成金の種類や条件などについて詳しく紹介しました。
各助成金やローンは審査や受給条件が異なり、比較的簡単に受けることができるものもあればそうでないものも存在します。
それぞれの審査や支給までにはある程度時間がかかることが想定されるため、ローンの融資や助成金の受給を検討されている方は早めに申請を済ませておくようにしましょう。
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