解体工事の後、解体工事で発生した廃材を現在はできるだけ再利用したりリサイクルしていると聞きました。
解体工事で発生した廃材はどのようなものに再利用されているのでしょうか。また、どのようなリサイクルを行っているのでしょうか。
目次
廃材のリサイクル方法や再利用方法は多岐にわたり、廃材の種類ごとに資材や燃料などへとリサイクルされています。
解体工事で出た廃材の中でもリサイクルや再利用される代表的な廃材が木くずです。
解体工事で発生する木くずの90%以上が、チップ燃料や堆肥、建築資材の原料として再利用されています。
解体工事で出た木くずを細かく粉砕して、パーティクルボードや建築用合板として再利用しています。
木くずに苛性ソーダなどの薬品を使用して木材の繊維を取り出し、木材パルプを製造しています。
木くずを細かく粉砕して牛ふんなどと混ぜ発酵を行い、農業用の堆肥として再利用しています。
解体工事で出た木くずのほとんどは細かく粉砕して、チップ燃料などへリサイクルしています。
木くずからバイオエタノールとしてバイオマス燃料を抽出し、再利用を行なっています。
通常のバイオエタノールはサトウキビなどから抽出されますが、薬品処理を行うことで木くずからも抽出することができます。
解体工事で出たコンクリート類は100%近くが再生砕石としてリサイクルされています。
細かく粉砕されたコンクリート類は埋立や骨材、レンガなどの資材としてリサイクルや再利用されています。
細かく粉砕されたコンクリート類は、道路などを作る際の埋め立て資材として再利用されています。
このようなコンクリート類はRCとよばれ、公共工事などで使用されています。最近ではこのような再利用資材を利用した工事が増加しています。
細かく粉砕されたコンクリート類は、圧縮することでレンガとして再利用されています。
このようにして作られたレンガは、外構やエクステリアを設置する際に使用されることもあります。
プラスチック類のリサイクル方法はさまざまですが、主にプラスチックの原料や固形燃料などにリサイクルや再利用されています。
廃材として出たプラスチック類は、新たに作られるプラスチック原料としてリサイクルや再利用されています。
また、プラスチックを原料とした衣類や成形品などの原料として使われます。
プラスチック類を紙くずや木くずと混ぜることで固形燃料を製造し、再利用を行なっています。
廃材のプラスチックを原料とした固形燃料はRPFとよばれ、石炭並みの発熱量を持ったコストパフォーマンスの高い燃料として利用されています。
さらにRPFは化石燃料の代替品として、二酸化炭素の削減も期待されています。
プラスチック類のリサイクルができない場合に、最終的な廃棄物の活用方法としてサーマルリサイクルが行われています。
解体工事などで出た廃材の中には、現在の技術ではリサイクルや再利用などの再資源化できない廃棄物があります。
サーマルリサイクルは、再資源化できない廃棄物を焼却処理した際に発生した排熱をエネルギーとして再利用する方法です。
ただしサーマルリサイクルは日本で作られたもので、海外ではリサイクルとして認められていません。
廃材として出たプラスチック類を化学合成によって分解したり、ほかの物質へと変えることで原料として再利用しています。
ケミカルリサイクルにはプラスチック類を原料として再利用するほかにも、高炉での還元剤や製鉄所のコークス炉などで再利用することもあります。
ガスや油に戻して再利用する方法などもありますが、ケミカルリサイクルには大型の設備が必要になることや、焼却する際に発生する有害ガスの処理なども課題になっています。
解体工事などで発生する石膏ボード類のほとんどは、リサイクルや再利用されずに埋立処分されます。
しかし廃材として出る石膏ボード類は石膏ボードを紙片と石膏粉に分別し、原料や土壌改良材としてリサイクルされています。
石膏ボード類を紙片と石膏粉に分別することで、新しい石膏ボードの原料として再利用されています。
石膏ボード類から分別された石膏粉を焼成し、土壌改良材の固化材や添加剤などに再利用されています。
また、建設汚泥や路盤改良材などの固化材や添加剤としても使用されています。
石膏ボード類から分別された石膏粉を、セメント原料として再利用しています。
石膏とセメントはどちらも水を加えることで固まる性質を持っているため、強度や硬化速度などの違いを利用したリサイクル方法です。
窓ガラスや鏡などから発生した廃材のガラス類は、細かく粉砕後に溶かしてからガラス原料や骨材などにリサイクルされています。
種類別に細かく粉砕されたガラスの欠片はカレットと呼ばれ、さまざまな材料として再利用されています。
廃材として出たガラス類は種類別に細かく粉砕され、新しいガラス原料として再利用されています。
ガラスの原料にはけい砂や石灰石といった天然資源が必要になるため、廃材から作られたカレットを再利用することで資源の節約につながっています。
細かく粉砕されたガラス類は、公園や歩道などのカラー舗装の材料として再利用されています。
ガラス類の幅広いカラーを活かした色鮮やかな舗装が特徴です。
細かく粉砕されたガラス類は、道路などのアスファルトの骨材として再利用されています。
ガラス類を骨材として使用することで路面が光を反射するなど、従来の舗装にはないメリットも生まれています。
解体工事から発生した鉄くずなどは以前から100%リサイクルされており、鉄骨や鉄筋などの製品として再利用されています。
また、不純物を取り除いて純度の高い金属を取り出す方法もあります。
解体工事で発生した襖などの紙類は、100%リサイクルされています。
しかし壁紙などにはプラスチックを含んでいることが多く、リサイクルが難しいケースもあります。また、段ボールなどもリサイクルの対象となっています。
廃材として出た紙類は水と薬品によって溶かされ、製紙原料として再利用されます。
廃材として出た紙類は、プラスチック類と混ぜることで固形燃料として再利用されています。この固形燃料はRPFと呼ばれています。
カーテンや衣類などの処分を解体業者に依頼した場合は、業者側が繊維類として分類し、リサイクルや再利用を行います。
プラスチック類や紙くずと混ぜ、RPFとよばれる固形燃料を製造しています。
廃材として出た繊維類は細かく粉砕した後で化学的に分解し、繊維原料として再利用されています。
ただし、同一素材の繊維類のみを大量に集めて処理する必要があります。
廃材として出た繊維類は、プラスチック原料として再利用されています。
解体工事で発生した発泡スチロール類は、専用の液や熱等で溶かしてから再利用を行います。
また、再利用されてない発泡スチロールは、サーマルリサイクルすることでエネルギーとして再利用されています。
解体工事で発生した廃材は、適正な処分方法で再利用やリサイクルが行われています。
解体工事を行う際には建設リサイクル法で定められた適正な処分方法で廃棄を行う必要があります。
もし、不法投棄などを業者が行った場合には、発注者も処分の対象になるので注意が必要です。
また、解体工事に必要な廃材処理には廃材処分費用と廃材運搬費用がありますが、適正な処分方法で再利用やリサイクルをすることで廃材処分費を節約することが十分可能です。
廃材処理費については、以下の記事を参考にしてください。
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