古民家の解体工事を行う際、古材買取を検討される方もいらっしゃると思います。
実は古民家は貴重な古い建材(古材)が使われていることが多く、古民家の古材や建材の買取を行なっている業者も多くいます。
しかしどれくらいの価格で買取をしているのか、また実際にどのような古材が買取の対象となるのか分からない方も多いと思います。
そこで本記事では、古材の基礎知識や買取相場、買取業者の選び方について紹介します。
目次
古材とは、戦前もしくは築60年以上前に建てられた古民家に使われている木材のことを指します。
古民家に使われている木材は築年数が経過することにより強度が増す木材もあり、それだけでも価値のある木材として人気があります。
例えばヒノキなどの木材は築100年くらいで最も強度が増すといわれていて、戦前や築60年以上前に使用された木材であっても、現在の住宅に使用できるほどの強度が期待できます。
戦前は古材を利用した建築が主流でしたが、近年では海外から木材を輸入する業者が増えたことなどにより、古材の使用量が減少しています。
木造建築から鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの建築技術に変化していったことも、古材が使われなくなった理由のひとつです。
そのため、近年では住宅などに古材を新しい木材を使うことが増えています。しかし古民家ブームなどの影響から、古材独特の質感を好んで古材を購入する方も年々増加傾向にあります。
古材は高価買取が期待できる貴重な資源です。
近年では古民家をイメージした建築などは人気が高く、住宅リフォームや古民家カフェなどをはじめ、旅館やレストランなどでも用いられることが増えています。
しかし古材として使える木材は築年数が60年以上の木材となるため、需要に合わせてすぐに生産できるわけではありません。また、解体工事の際は慎重に古材を搬出する必要があります。
そのため、古民家などの解体工事を行う際には、古材の取り出しや処理方法を熟知した買取業者を適切に選ぶことが大切です。
経年による風合いや趣きは、現代に残しておきたい古材の魅力といえるでしょう。
ここでは、古材の魅力について解説します。
古材には、深みのある風合いがあります。
木材は経年により変化を起こし、新しい木材にはない色味や質感を演出してくれます。
古材は使われていた場所によって、それぞれの傷や割れなどが残っています。木材に刻まれた歴史は、新しい木材には表現できない風合いを作り出してくれます。
古材は強度が高く、頑丈であるといわれています。
木材は長い年月をかけてゆっくりと乾燥し、強度が高い建材となります。古材のように時間をかけて乾燥させた木材のほうが強度が高く、頑丈な建材であるといわれています。
古い木材を再利用することで新しい木材の使用量が削減されるほか、森林伐採や運搬にかかる燃料などが削減でき、さまざまな面で環境に優しい魅力があります。
また、古材は一本の木から取り出された建材が多く、集成材のような木材に比べて人体にも優しいといわれています。
築60年以上の古民家などで使われていた木材は市場の中でも供給量が少なく、その分希少価値が高くなります。
古材は木ごとに異なる質感や風合いを持っているため、ほかの木材では表現できない仕上がりにすることができます。
唯一無二の特別な家を造り上げるには、最適な建材といえるでしょう。
古材の中でも戦前の古材は人気があり、高価買取が期待できるといわれています。
ヒノキやケヤキ、柿の木などは需要が高く、人気の古材です。これらの古材は柱や梁、床の間、階段などをはじめ、和室の床の間などに用いられていたことが多いようです。
また、床柱や床框、落とし掛けなどに使われる木材は買取業者に重宝されています。ただしヒノキやケヤキなどといった木材の樹種よりも、年数が重要視される傾向があります。
古材は木材の質により高価買収が期待できますが、解体工事費用などが高額になるなどのデメリットもあります。
ここでは、古材を買取してもらう場合のメリットとデメリットについて解説します。
古材買取のメリットとして、高価買取によって利益が期待できることが挙げられます。
古民家の解体工事を行う際には、200万円前後の解体工事費用が必要になることもあります。しかし古材が使われている場合には、買取を依頼することでその分の利益を解体工事費用の一部として補填することができます。
古材買取のデメリットとしては、解体工事費用が高額になる可能性があることが挙げられます。
古材を取り出して買取依頼を行うためには、取り出した古材の状態が重要な買取価格の判断材料となり、通常の解体よりも丁寧な作業が必要になります。
さらに木材の知識や建物の構造にも詳しい職人を呼ぶなどの理由で人件費が高額になることから、解体工事費用が高額になることもあります。
しかし時間と手間をかけて取り出した古材が商品として使える木材かどうかは、実際に古材を取り出してみないとわかりません。
古材買取のために高額な費用をかけて取り出した木材が古材として使えない場合は、解体工事費用の負担だけが残ってしまうことになります。
古材買取価格に一般的な相場はないといわれています。
古材は使われている場所や樹種や一本一本の風合い、質感などの状態が異なるため、相場となる価格を付けることが難しくなります。
また、一軒の古民家から出る古材の量などによっても買取価格が変わることがあります。
古民家の解体工事の費用相場に関しては、以下の記事を参考にして下さい。
古材買取価格の相場は古材の種類や状態、量などで費用が異なりますが、一軒の古民家から取り出される古材の買取相場は、30万~50万円程度といわれています。
ただし人気の樹種や状態の良い古材がある場合には、相場の価格よりも高く買い取られることもあります。
しかし古材の状態が良くなければ、相場より評価価格が安くなることもあります。そのため、解体工事を行う前に古材の買取査定を行っておくと良いでしょう。
古材の回収を解体工事と同時に行う場合は工事期間が長くなり、その分費用が高額になります。
しかし取り出した古材の状態によっては事前に予想した買取価格を下回ることもあるため、事前に買取査定などを行なっておくと良いでしょう。
古材鑑定士による買取査定もおすすめできます。
古材鑑定士とは、古材の状態や価値を鑑定したり古材を使った活用方法のアドバイスを行ってくれる古材の専門家です。
解体予定の古民家に使用されている木材が買取可能どうかなどを診断してくれるほか、古材として価値があると判断した場合には古材鑑定書を発行してくれます。
古材には、買取価格が予定よりも低かったり、解体しないほうが良い場合があるなどの注意点があります。
ここでは、古材買取の注意点を紹介します。
解体工事の際に発生する古材は、すべてが廃棄されるわけではありません。
木材などの廃材は基本的に産業廃棄物として処理しますが、状態の良い木材の場合に関してはリフォームやリノベーションなどの建材として再利用されています。
また、解体工事を行う際に割れたり欠けたりしてしまった木材は、合板の材料などに再利用されることもあります。
古材買取では、買取価格が予想よりも低くなる場合があります。
古材の買取価格は、取り出された古材の状態によって最終的な価格が決められることが一般的です。
そのため、解体工事の際に傷や欠けなどができてしまった場合には買取価格が低くなることもあります。
解体工事の前に古材鑑定士に鑑定してもらった場合であっても、実際の買取価格は最終的な古材の状態に影響されます。
また、解体工事の前には状態の良い木材に見えた古材も、解体してみると劣化や腐食、シロアリの被害が見られることもあり、このような場合の買取価格は想定価格よりも低くなります。
古民家を解体せず、経年劣化によって痛んでしまった部分の修繕やリノベーションを行い、賃貸物件にすることも可能です。
近年では古民家の質感や風合いを活かしたカフェなどの需要も高まり、解体工事をするよりも収益化を見込める可能性があります。
ただし古民家に限らず、賃貸経営は簡単にできるものではありません。賃貸を検討する際は、不動産に詳しい専門家に相談すると良いでしょう。
古民家解体の際に発生した古材の処分方法には、産業廃棄物として処理する方法と古材買取業者に買い取ってもらう方法があります。
古民家解体の際に発生する古材の処分を、解体工事業者に依頼することもできます。
しかし解体工事業者が処分する場合には産業廃棄物として取り扱われるため、廃材処理費が必要になります。
また、古材の買取に対応してくれる場合もありますが、専門業者と比較すると買取価格が安くなることがあります。
解体工事で発生した古材は、古材買取業者に買い取ってもらうことができます。
しかし買取ができない木材に関しては、廃材処理費が必要になります。
また、古材の状態によっては買取価格が低くなってしまう場合や、買取価格が発生しない場合もあります。
古材買取業者を選ぶ際には、古材の知識や買取実績が豊富な業者の中から選ぶことが大切です。
ここでは、古材買取業者の選び方を紹介します。
古材の買取を依頼する業者は、古材買取業者の中から選ぶようにしてください。専門の知識がない不用品回収業者や解体工事業者が古材買取を行なっていることもあります。
古材の価値や知識が少ない業者に依頼してしまうと、相場価格で買い取ってもらえないことがあります。
料金が明瞭であることも、古材買取業者を選ぶ上で大切なポイントになります。
古材の買取価格は相場が分かりにくいため、買取価格の料金が明瞭である業者に依頼するほうが良いでしょう。
また、実際に古材の買取をした実績や買取価格の例が掲載されたホームページなどが公開されているかも重要なポイントです。
古材の買取に至るまでに必要な料金などがある場合には、段階ごとの料金体系なども把握しておいたほうが良いでしょう。
古材買取の価値評価の基準を教えてくれるかどうかも、大切なポイントです。
古材買取には買取価格の相場がありますが、教えてくれない業者の場合は信用できない可能性があります。
古民家を解体する際は、自治体から税制優遇や補助金を受けられることがあります。
解体後に土地を売却する場合は特例控除を受けられる可能性がありますが、対象になる建物の条件が設定されています。
また、空き家解体に補助金を支給している自治体もあります。申請は解体工事の前に行うことが一般的ですが、補助金の交付が決定するまでにいくつかの審査が必要です。
そのため、自治体からの補助金を利用する際は、申請時期や工期などを事前に確認する必要があります。
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