解体工事費用が高額になる原因の中間マージンには、どのようなからくりがあるのでしょうか?

  よくある質問
見積費用についてアドバイザーがわかりやすくご説明いたします
解体を検討している建物の種類はなんでしょうか?

解体工事を予定していますが、業者によって解体費用以外に中間マージンが発生し、全体の工事費用が高額になるという話を聞きました。

できれば安く解体工事を請け負ってくれる業者に依頼したいと考えているため、中間マージンについてのからくりなどを詳しく教えてください。

解体工事での中間マージンは、仲介手数料や紹介料のことを意味しています

解体工事での中間マージンは、仲介手数料や紹介料のこと

中間マージンの意味とは

建設業における中間マージンは、仲介手数料紹介料とも言い換えられます。

建設工事では、注文者が工事請負契約を締結する元請け業者と現場で実際に作業を行なう下請け業者が異なることが多く、解体工事の場合も例外ではありません。

ハウスメーカーや工務店に工事を依頼する場合などがこれにあたります。

このような場合は元請け会社が工事を下請け業者に依頼した場合、元請け業者の利益を確保することができるように中間マージンが発生します。

したがって、もと元請け業者と下請け業者が異なる場合は発注者が支払う工事金額に中間マージンが上乗せされ、その分全体の費用は高くなります。

そのため、中間マージンに対するイメージは一般的に良いものではありませんが、中間マージンを支払うことで得られるメリットもあり、一概に悪いものとは言い切れません。

中間マージンのからくり

中間マージンのからくり

中間マージンの仕組みとしては、工事を受注するための集客活動や設計業務を元請け業者が行います。

そして、反響があった顧客に対して販促活動にかかる費用を上乗せした額で見積もり書を提出します。

この上乗せする分の費用が、中間マージンといわれるものになります。

中間マージンの相場としては工事費の10~30%程度になることが多く、工事に関わる下請け業者の数が多くなるほど中間マージンが高額になります。

また、一般的には元請け業者の規模が大きくなるほど中間マージンが高くなるといわれています。

例えば、大手ハウスメーカーに依頼した場合には相場よりも中間マージンが高額になる傾向にあります。

ただし建設業法では、元請け業者は「請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない」(第22条)とされています。

※元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得たときを除く

これを「一括下請負の禁止」と呼び、元請負人が下請負人に対して実質的に関与していると認められないケースを指します。

一括下請負が無条件に認められてしまうと、工事施工に対する責任の所在が不明確になったり、工事品質の低下や労働条件の悪化を招くことにつながります。

すると、実際には施工能力のないブローカーのような業者が暗躍する恐れが高くなる可能性があります。

一括下請負とならないようにするためには元請負人が自ら施工計画の作成し、工程管理や品質管理をはじめ、安全管理や技術的指導等を行う必要があります。

施主の承諾もなく元請業者が請け負った工事を下請け業者に丸投げするような場合は、建設業法違反に該当します。

中間マージンは工事の発注者が負担する

中間マージンは工事費が相場よりも高くなる要因のひとつです。

しかし基本的に中間マージンは工事費用に含まれているため、工事の発注者が負担することになります。

工事をなるべく安く済ませたい場合は、中間マージンが発生しない自社施工の業者に依頼をする必要があります。

間に入る業者が多くなるほど中間マージンは増える

間に入る業者が多くなるほど中間マージンは増える

解体工事のみにとどまらず、建築工事では工事に関係する下請け業者が多いほど中間マージンが増える傾向があります。

工事を発注する業者やメーカーのほかに、下請け業者から仕事を受ける孫請け業者、その他の外構工事や土木工事など関わる業者の数が増える程中間マージンが増えていきます。

中間マージンは業者によって比率が異なる

解体工事を行う際は自社施工の解体業者に発注すれば中間マージンは発生しませんが、工事を下請け業者に依頼している業者に発注する場合には中間マージンが発生します。

中間マージンの額は解体業者によってさまざまですが、あらかじめ解体工事の予算が限られている方にとっては、中間マージンの額は大きな問題となります。

例えば解体工事の総予算が100万円の場合、中間マージンが発生しない場合と30万円の場合とでは、直接施工に充てられる費用が30万円も違ってしまうことになるからです。

そのため、発注する業者によって中間マージンの比率が大きく異なることを知っておきましょう。

中間マージンの額は、ハウスメーカーや工務店、建築設計事務所に依頼すると工事費の2~3割、解体業者の仲介業者を通す場合には1~2割程度になることが多いようです。

中間マージンにより解体費用が高額になる理由

中間マージンにより解体費用が高額になる理由

中間マージンは解体費用が高額になってしまう原因の一つです。

しかし建設業界には中間マージンの額に明確な規定があるわけではなく、中間マージンの額は発注する解体業者によっても異なります。

また、中間マージンの説明をすることもなく見積もり金額に上乗せして提示されることが多いようです。

そのため、実際にいくら中間マージンを支払うことになるのかを業者に事前に確認しておくと良いでしょう。

解体費用の費用相場や、費用を安くするためのコツと注意点は以下の記事で詳しく紹介しています。

この章では、中間マージンにより解体費用が高額になってしまう理由(原因)を詳しく紹介します。

間に入る業者が多い

前述したように、ひとつの解体工事に関わる下請け業者や孫請け業者の数が多くなるほど、下請け業者に対しての支払いが発生するため、その分中間マージンは高くなります。

そしてこれらの下請け業者に支払う金額が工事費に含まれるため、間に入る業者が多くなるほど解体工事全体の費用が増えてしまうことになります。

自社施工を行う業者に直接発注できれば良いのですが、これらの業者は会社の知名度が低く営業スキルも高くないことが多いので、簡単に探し出すことができません。

元請が大手業者である

元請が大手業者である場合は契約件数も多いため、それに対応できるだけの数多くの下請け業者を抱えています。

そのため、解体工事を大手業者に依頼した場合には下請け業者や孫請け業者などの複数の業者が工事に関わることになります。

その分、中間マージンが多く発生して工事費用が相場よりも高くなってしまうことがあります。

中間マージンを支払うことで得られるメリットとは

中間マージンを支払うことで得られるメリットとは

解体工事をハウスメーカーや工務店に依頼すると中間マージンを支払うことになってしまうのが最大のデメリットといえます。

しかし、中間マージンを支払うことで得られるメリットも少なくありません。

この章では、中間マージンを支払うことで得られるメリットを紹介します。

トラブルに巻き込まれる可能性が少なくなる

解体工事中には近隣からのクレームや何らかのトラブル・事故が発生しスケジュール通りに工事が進まなくなってしまうことが少なくありません。

特に建物を解体した後に家の建て替え工事を行う場合、解体工事の遅れは新築工事の工程にも大きな影響を及ぼしてしまいます。

そのような場合も、ハウスメーカーや工務店に一括して任せておけば、近隣からのクレームやその他トラブルの対応だけではなく、全ての工程管理を一任できるので安心です。

悪徳業者を避けることができる

中間マージンのない解体業者は解体費用は安いものの会社規模が比較的小さく、知名度も低いことがほとんどです。

中には悪徳業者と呼ばれる業者も存在していますが、数ある業者の中から一般の方が悪徳業者とそうではない業者を見極めるのは非常に難しいといえます。

しかし、大手ハウスメーカーや地元の工務店の下請け業者には、ほとんど悪徳業者は存在しません。

そのため、中間マージンが発生したとしても大手ハウスメーカーや地元で有名な工務店などに発注すれば、悪徳業者からの被害を避けることができます。

業者との窓口がひとつで済む

業者との窓口がひとつで済む

ハウスメーカーや工務店に解体工事を依頼した場合、自分で解体業者を探して打ち合わせを行う手間を省くことができます。

特に古い建物を解体した後に建て替え工事を行う場合には、解体工事と新築工事の2つの打ち合わせを行わなければなりません。

しかし、新築工事を依頼するハウスメーカーや工務店に解体工事を発注することで、解体範囲や整地方法などの打ち合わせを省き、全てを任せっきりにすることができます。

また、解体工事のみを行う場合には住宅ローンを利用することはできませんが、建て替え工事を行うための解体工事の場合には住宅ローンの対象になります。

そのため、建て替え工事を依頼する予定のハウスメーカーや工務店に依頼を行えば、建て替え費用の住宅ローンに解体費用を組み込むことが可能です。

依頼業者ごとの中間マージンの取り扱い方

依頼業者ごとの中間マージンの取り扱い方

この章では、解体工事を発注する業者ごとの中間マージンの取り扱い方を紹介します。

ハウスメーカーの場合

建て替えに伴う解体工事を行う場合には、ハウスメーカーに新築工事と併せて古家の解体工事を依頼するケースが多くなります。

しかし、このような場合はハウスメーカーではなく下請け業者が解体工事を行うため中間マージンが発生し、その分解体費用が高額になります。

また、建て替えの場合には解体工事のみを単体で依頼するケースは少ないので、解体工事だけでなく建て替え費用総額に対する中間マージンを請求されるようになります。

大型工務店の場合

大型工務店に古家の解体工事を依頼する場合の中間マージンの取り扱い方は、ハウスメーカーの場合とほぼ同じになります。

また、リフォーム工事を大型工務店に依頼した場合も下請け業者が解体工事を行います。

このような場合も発注者が大型工務店を経由して解体工事を依頼する必要があるため、中間マージンが発生することになります。

家電量販店やホームセンターの場合

家電量販店やホームセンターの場合

家電量販店やホームセンターでも解体工事の依頼を受けていますが、自社で直接施工することはなく、実際に解体工事を行うのは下請け業者になります。

そのため、ホームメーカーや大型工務店同様に中間マージンが発生し、その分の費用は発注者側が負担することになります。

設計事務所や中小規模の工務店の場合

住宅や建物の設計業務を本業としている設計事務所の場合も下請け業者に解体工事を発注するため、中間マージンが発生します。

また、中小規模の工務店の場合も自社の専門外の工事については下請け業者に依頼を行うため、中間マージンが発生します。

中間マージンで発生しやすいトラブルの事例

中間マージンで発生しやすいトラブルの事例

中間マージンにはデメリットも数多く存在しています。

この章では、中間マージンにまつわるトラブルの事例を紹介します。

中間マージンについての説明がない

中間マージンが多く発生してしまうと、工事費が高くなってしまいます。

しかし中間マージンには明確な規定のようなものが存在しないため、必ずしも見積もり書などに明記する必要はありません。

そのため、中間マージンの有無や中間マージンの額などを説明しないままに契約を締結する業者も多いようです。

一方で、あらかじめ中間マージンについてしっかりと説明してくれる業者であれば、信頼度が高いともいえます。

そのことを認識した上で、業者の選定に役立てると良いでしょう。

適切な解体工事ができなくなる

自社で工事を行う場合は問題ありませんが、下請け業者に工事を発注する場合でも中間マージンをとらない業者は、どこかでその分の費用を抑えている可能性が高いといえます。

手抜き工事や不正工事、不法投棄などが行われる可能性もゼロではありません。

特にハウスメーカーや大型工務店の場合には、通常であれば高額な中間マージンを取るので、中間マージンがないということは考えられません。

別の項目で費用を計上しているか無理なコストカットをしている可能性が高いので、十分に注意する必要があります。

トラブル発生時の責任の所在が分かりにくい

トラブル発生時の責任の所在が分かりにくい

工事の元請け業者と実際に現場で作業を行う下請け業者とが異なる場合には、現場で何かトラブルが発生した際に責任の押し付け合いになってしまうことがあります。

本来であれば最終的な責任は元請け業者が負うものですが、中には下請け業者に責任を押し付けようとする業者も存在しています。

解体工事では工事に関わる下請け業者が多くなるほど責任の所在が曖昧になりやすいので、下請け業者が少なく中間マージンが少ない業者に依頼することが大切です。

中間マージンなしをアピールする業者も存在する

中間マージンは顧客に対してあまり良い印象を与えるものではありません。

そのため、一部の業者の中には中間マージンなしをPRしている業者も存在しています。

しかし工事を下請け業者に依頼している会社であれば、中間マージンが発生しないということは通常はありえません。

また、顧客から中間マージンを取らなければ必ずしも顧客第一主義といえる訳でもなく、いずれ倒産してしまうことにでもなったら顧客に迷惑を掛けてしまうことにもなります。

そのため、中間マージンがないことをあまりにもアピールしすぎる業者には注意した方が良いでしょう。

中間マージンを抑えて解体工事を依頼する方法

中間マージンを抑えて解体工事を依頼する方法

最後に中間マージンを抑えて解体工事を依頼する方法を紹介します。

地元の業者に直接依頼をする

地元で長年営業を続けている解体業者は地域での知名度が高く、既存顧客からの紹介受注も多いので、元請業者として契約から施工までを自社で行っている可能性が高いです。

このような業者に工事を依頼すれば中間マージンが発生しないので、費用を安く抑えることができます。

また、予算を全て施工費用に充てることができるので、品質の高い工事が期待できるでしょう。

自社施工の業者に依頼をする

地元業者であっても、自社の職人が不足してしまうと工事を下請け業者に依頼するようになってしまうので、中間マージンが発生してしまいます。

一方で、自社で職人を多数抱えて自社施工を売りにしている会社であれば、中間マージンは発生しません。

自社施工であるかどうかは、解体工事を行う上では発注金額や施工品質の面でも非常に大切なことなので、解体業者を選ぶ際には必ず確認しておくべき項目のひとつです。

まとめ

中間マージンを抑えて解体工事を依頼するには相見積もりを依頼

解体工事をハウスメーカーや工務店に依頼すると現場で直接解体作業を行うのは下請けの解体工事会社になり、中間マージンが発生します。

しかし自らの責任できちんと工程管理や品質管理を行うハウスメーカーや工務店であれば、決してデメリットばかりではありません。

解体工事をハウスメーカーや工務店に依頼するにも直接解体業者に依頼するにもそれぞれにメリットとデメリットがあります。

発注する業者を選ぶ際にはこの点についてあらかじめ良く理解しておく必要があります。

特に優良な解体業者を自ら探し出すことは非常に難しいといえます。

そのため、中間マージンを抑えて解体工事を依頼したい場合には、複数の解体業者に相見積もりを依頼するなど業者探しの手間を惜しまないことが大切です。

\ 見積もり後のお断りも大丈夫 /

この記事のライター

解体エージェント 編集部

こんにちは、解体エージェント編集部です。「最適な解体業者との架け橋に」をコンセプトに、解体工事をトータルでサポートする解体エージェント。コラムでは、業者の選び方や工事前後の手続き、気になる解体工事の費用相場まで、解体工事にまつわる皆さまのさまざまな疑問にお答えします。解体工事の専門アドバイザーによる有益で信頼できる情報をお届けしますのでぜひ参考にしてください。

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